富山高岡本店

漆皿に大根や蕪が描かれた意味とは|吉祥文様としての“根菜”に込められた願い


黒漆の艶やかな地に、金の蒔絵で描かれた大根と蕪。
放射状に伸びる金線が文様を照らすように広がり、まるで陽の光を受けて輝くような印象を与えます。
一見ユーモラスにも見えるこの図柄には、古くから日本人の暮らしと祈りが重ねられてきました。
今回は、この「大根・蕪文様」に込められた意味を紐解いていきます。



1. 大根・蕪文様とは?

大根や蕪といった“根菜”は、古くから縁起の良い植物として親しまれてきました。
大根は「根をしっかり張る」「まっすぐに伸びる」ことから、家の安泰や努力の実りを象徴します。
また、その白さは「清浄」「正直」を意味し、心の清らかさや誠実をあらわすとされます。

一方、蕪(かぶ)は「株が上がる」に通じることから、商売繁盛や出世祈願の象徴。
江戸時代には、商人の家紋や年賀の意匠にも多く用いられ、吉祥図柄のひとつとして親しまれてきました。



2. 蒔絵文様としての表現

この漆皿に描かれている放射状の金線は、「光芒文(こうぼうもん)」または「放射文」と呼ばれる装飾手法。
中心から外へと伸びる光のような線は、太陽や生命力、祝福を象徴します。
その中に大根や蕪が配されていることで、「光に照らされた実り」「豊かな成長」などの意味合いが加わります。

蒔絵の金線はわずかに盛り上がり、角度によって光を反射します。
黒漆の深みのある艶と金の線描が織りなすコントラストは、古典的な華やかさとモダンな洗練を併せ持ちます。
この意匠は、江戸後期から明治期にかけての感覚を思わせるものでもあり、当時の美意識の高さを感じさせます。



3. “根菜”に託された日本人の美意識

日本では、身近な野菜にも祈りの意味を見出してきました。
大根や蕪が器や絵画、着物の文様に登場するのは、単なる写実ではなく「日常の中にある吉祥」の表現です。
特別な花や動物ではなく、食卓にのぼる野菜をモチーフにすることで、豊穣と暮らしの安定を願う――。
この「身近なものへの祈り」こそ、日本の文様文化の奥ゆかしさといえるでしょう。



4. 現代の暮らしに生きる縁起文様

黒漆に金の蒔絵を施した皿は、和菓子や洋菓子のプレートとしても相性がよく、季節の設えを引き立てます。
漆の黒は料理の色を美しく映えさせ、金の文様は控えめな華やかさを添えます。
伝統的な文様を持つ器を日常に取り入れることは、単に“古いものを使う”ということではなく、
そこに込められた祈りや美意識を暮らしに迎えることでもあります。



5. まとめ

大根や蕪の文様は、根を張り、実りを得る象徴として古くから親しまれてきました。
金蒔絵による光芒文と組み合わされることで、「陽光に照らされた豊かさ」「成長と繁栄」の意味が重なります。
一見素朴ながら、深い意味と美意識を併せ持つこの意匠。
日々の暮らしの中で使うたびに、古の人々の祈りと感性を感じ取ることができるでしょう。


商品詳細◆

大根蕪蒔絵 菓子皿 約六寸

時代:大正~昭和頃

高さ:約2.8センチ

直径:約17.4センチ

一客:3,500円

状態:漆の剥落、ヤケ、経年による若干のスレがあるものがございます。状態は写真でご確認ください。



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