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【新入荷】輪島塗 桔梗蒔絵 吸物椀のご紹介

【新入荷】輪島塗 桔梗蒔絵 吸物椀のご紹介|桔梗に込められた美と想い

新原美術では、北陸を中心に日本の美と技が息づく工芸品を数多く取り扱っております。本日はその中から、新たに入荷した逸品——「輪島塗 桔梗蒔絵 吸物椀(わじまぬり ききょうまきえ すいものわん)」をご紹介いたします。

■ 深みと静けさを感じる、漆黒の吸物椀

この吸物椀は、輪島塗ならではの重厚感ある黒漆の地に、楚々とした桔梗の蒔絵が描かれています。控えめながら凛とした存在感を放ち、使うたびに心を静かに整えてくれるような佇まいです。日常の食卓を上質に演出するのはもちろん、季節の行事やおもてなしの席にもぴったりの器です。

■ 桔梗文様に込められた意味と縁起の良さ

桔梗は、古くから日本人に親しまれてきた野の花であり、文様としても着物や工芸品に多く用いられてきました。その五枚の花弁は星形にも似ており、どこか神秘的な美しさを感じさせます。

文様としての桔梗には、

  • 「誠実」

  • 「気品」

  • 「永遠の愛」
    といった意味が込められています。

さらに、「桔梗(ききょう)」という漢字に注目すると、「更に」「吉」と書きます。つまり、“さらに吉を呼ぶ”という縁起の良さもあり、古来より魔除けや吉祥文様としても尊ばれてきました。そのため、武家の家紋や祝いの器としてもよく使われており、現代でも「幸福を呼ぶ花」として愛されています。

■ 輪島塗の技と誇り

輪島塗は、石川県輪島市で作られる日本を代表する漆器です。その特徴は、何といっても堅牢さと美しさの両立にあります。輪島塗は、木地の上に「地の粉(じのこ)」と呼ばれる珪藻土を混ぜた下地を施すことにより、他の漆器には見られない強靭さを持ちます。

また、上塗りは何度も丁寧に塗り重ねられ、その上に職人の手によって精緻な蒔絵が施されていきます。製作工程は100以上に及び、一つひとつが手間と時間を惜しまぬ手仕事の積み重ねです。

この吸物椀にも、そうした伝統の技が息づいており、見た目の美しさだけでなく、長く安心して使える実用性を兼ね備えています。

■ 日常に、日本の美を

「いい器を使うと、料理の味も変わる」とよく言われますが、まさに輪島塗の器はその言葉を体現しています。特別な日に使うのはもちろん、日常にこそ取り入れていただきたい、日本の美のかたちです。

新原美術 高岡本店・オンラインショップにて、現品を販売中です。
数に限りがございますので、気になる方はお早めにどうぞ。

▶ ご購入・商品詳細はこちら

https://shinhara.base.shop/items/105410034

輪島塗 桔梗蒔絵 吸物椀/Wajima lacquered soup bowl

¥6,000

◆商品詳細◆
時代:昭和頃
高さ:約10.2センチ(身:約6センチ)
直径:約13センチ
一客:6,000円
状態:新品ではない為、経年による若干のスレや漆の剥がれがございます。
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