久田方琥くだ

カテゴリー 絵画、書画
作品種別 書 産經国際書会
プロフィール 久田 方琥(ひさだ ほうこ/ほうこく)は、明治から昭和初期にかけて活動した日本の南画家(文人画家)です。文献資料が比較的少ない人物ではありますが、南画の伝統を継ぎながら、日本的情緒を湛えた山水画や花鳥画を描いた画家として知られています。

■ 基本情報

名前:久田 方琥(ひさだ ほうこ/ほうこく)
生没年:明確な記録は見つかっていませんが、明治後期〜昭和初期にかけて活動
出身地:推定では関西地方(京都または大阪)の画壇に近い人物
分野:日本画(南画/文人画)
号の由来:南画において「方」「琥」といった文字は、文人らしい雅号として用いられることが多い
■ 作風と特色

● 南画(文人画)系統
久田方琥は、江戸時代の田能村竹田や浦上玉堂らの流れをくむ南画に範を取り、墨を中心とした抒情的な山水画・花鳥画を得意としました。色彩よりも墨の濃淡による表現、余白の美、詩的な情景を重視した表現が見られます。

● 詩書画一致の思想
南画の基本理念である「詩・書・画」の融合を目指し、作品中には自詠の詩や漢詩を添えることもあったとされています。構図は比較的オーソドックスながらも、穏やかで親しみやすい雰囲気をもつのが特徴です。

■ 作品の所在・評価

久田方琥の作品は、以下のような形式で現存しています:

掛軸:山水図や花鳥図が多い
額装作品:書画一体の短冊・扇面作品も見られる
共箱付きの作品も多く、骨董市場などでも一定の評価があります
● 現在の市場評価
現代においては、著名画家ほどの知名度はありませんが、作品の完成度や表現力から南画愛好家や収集家の間では一定の人気があります。作品によっては、丁寧な筆致と詩情ゆたかな画面構成が評価され、展覧会などで取り上げられることもあります。

■ 他の南画家との比較

項目 久田方琥 小室翠雲 田能村竹田
活動時期 明治後期〜昭和初期 明治〜昭和初期 江戸後期
作風 伝統南画・抒情山水 写意的山水・現代化 詩意と文人精神の融合
知名度 中堅〜ややマイナー 近代南画の巨匠 南画の大成者
■ 補足

久田方琥は、美術年鑑などの記載が限られており、展覧会記録や門下生の情報も乏しいため、地方画壇に根ざした活動を行っていた可能性が高いと考えられます。
落款や画風から、同時代の南画家(矢野橋村、白石南湖など)との交流があった可能性もあります。