木島桜谷このしまおうこく
時代 | 昭和時代 |
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カテゴリー | 絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 木島 桜谷(このしま おうこく、明治10年(1877年)3月6日 - 昭和13年(1938年)11月13日)は、明治から昭和初期にかけて活動した四条派の日本画家。本名は文治郎。字は文質。別号に龍池草堂主人、朧廬迂人。 四条派の伝統を受け継いだ技巧的な写生力と情趣ある画風で、「大正の呉春」「最後の四条派」と称された画家。 木島櫻谷(このしま おうこく、1877年–1938年)は、明治から昭和初期にかけて活躍した京都出身の日本画家で、特に動物画や山水画で高い評価を受けています。その繊細な写実力と詩情豊かな表現は、近年再評価が進んでいます。 生涯と画業 出自と学び:京都市三条室町に生まれ、本名は文治郎。16歳で京都画壇の重鎮・今尾景年に入門し、四条派の写生を学びました。また、渡辺華山に私淑し、菊池容斎の画論に心酔するなど、幅広い影響を受けています。 展覧会での活躍:明治40年(1907年)の第1回文展に出品した《しぐれ》が二等賞を受賞し、以後も《万壑烟霧》(1910年)、《寒月》(1912年)、《駅路之春》(1913年)などの代表作を発表。京都画壇を代表する存在として評価されました。 晩年の生活:30代で京都・衣笠に自邸兼アトリエを構え、詩書画に親しむ文人的生活を送りました。この邸宅は現在「櫻谷文庫」として保存され、特別公開が行われています。 作風と特徴 櫻谷の作品は、徹底した写生に基づく自然観察と、抒情性の調和が特徴です。動物画では、狸や鹿、狐などを題材に、詩情豊かで温かみのある表現を見せています。また、山水画では、写生を基にしながらも想像力を加えた構成で、幻想的な風景を描き出しました。 彼の写生帖は600冊以上が現存し、公益財団法人櫻谷文庫に所蔵されています。これらは、動物、花鳥、風景、人物、器物など多岐にわたり、彼の観察眼と描写力の高さを示しています。 主な作品 《しぐれ》(1907年):第1回文展で二等賞を受賞した作品で、晩秋の風景を繊細に描写しています。 《万壑烟霧》(1910年):幅11メートルの大屏風で、幻想的な山水風景を描いた代表作です。 《寒月》(1912年):雪の竹林に佇む狐と月を描いた作品で、静寂と詩情が漂います。 《駅路之春》(1913年):春の旅路をテーマにした作品で、明るく華やかな色彩が特徴です。 《峡中の秋》(1933年):最後の帝展に出品された大作で、秋の渓谷を壮大に描いています。 櫻谷文庫と写生帖 櫻谷が晩年を過ごした京都・衣笠の自邸は「櫻谷文庫」として保存され、彼の遺作や写生帖、収集した書画など約1万点を収蔵しています。建物は和館・洋館・画室の3棟からなり、いずれも京都市指定文化財や国の登録有形文化財に指定されています。 また、櫻谷の写生帖はデジタルアーカイブとして公開されており、彼の観察眼と描写力を垣間見ることができます。 木島櫻谷の作品や写生帖を通じて、彼の繊細な観察力と詩情豊かな表現を感じ取ることができます。京都を訪れる際は、櫻谷文庫を訪れてみてはいかがでしょうか。 |