多田游硯ただ
カテゴリー | 絵画、書画 |
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作品種別 | 書 産經国際書会 |
プロフィール | 多田游硯(ただ ゆうけん)氏は、日本の書道界において長年にわたり活躍されている書家であり、産経国際書会の常務理事および斯華会(このはなかい)の運営委員を務めています。特に仮名書道の分野で高い評価を受けており、自然を題材とした詩文を通じて、温かみのある情景を描き出す作品を多く手がけています。 書道との出会いと斯華会への参加 多田氏が斯華会に入門したのは昭和35年(1960年)のことで、これは偶然にも嫁ぎ先が会の本部のすぐ近くだったことがきっかけでした。斯華会は、明治・大正期の仮名書道界を代表する大家・小野鵞堂(がどう)氏が創設した団体であり、和様の書として漢字と仮名を交え、読んで分かる書を規範とする平明で優美な書風は「鵞堂流」と称され、今日でも多くの書道団体がその流れを汲んで活動しています。 多田氏は、鵞堂氏の四男であり斯華会の2代目である小野成鵞(せいが)氏に師事し、書道の研鑽を積みました。成鵞氏が昭和44年(1969年)に亡くなった後は、3代目の之鵞(しが)氏らとともに書道研究を続け、臨書にも力を入れるようになりました。中国の古典から日本の仮名まで、同じ字を繰り返し書くうちに、師の作品の元となった文字を古典から発見し、師の見事なアレンジに改めて崇敬の念を抱いたと語っています。 作風と芸術観 多田氏の作品は、自然を題材とした漢詩や俳句をもとに、ほのぼのとした情景が浮かぶような仮名作品が特徴です。「書をやっていて良かったことは、とても良い言葉に出合えたこと」と語り、言葉との出会いを大切にしています。また、臨書を通じて古典の深さを学び、師の作品の背景にある文字の由来やアレンジに感銘を受けています。 受賞歴と活動 多田氏は、産経国際書会の活動を通じて多くの作品を発表し、平成28年(2016年)には高円宮賞を受賞しました。贈賞式では、高円宮妃久子殿下から賞状を贈られるなど、その功績が高く評価されています。 教育と後進の育成 斯華会の運営委員として、多田氏は後進の育成にも力を注いでいます。仮名書道の伝統を守りつつ、自然の美しさや言葉の力を大切にした作品づくりを指導し、多くの書道愛好者に影響を与えています。 多田游硯氏は、仮名書道の伝統を継承しつつ、自然や言葉の美しさを表現する作品を通じて、多くの人々に感動を与え続けています。その温かみのある書風と深い芸術観は、今後も多くの書道愛好者に影響を与えていくことでしょう。 |