結城素明ゆうきそめい

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	結城 素明（ゆうき そめい、1875年（明治8年）12月10日 - 1957年（昭和32年）3月24日）は、日本の明治から昭和にかけて活躍した日本画家。日本芸術院会員。 結城素明（ゆうき そめい、1875年12月10日 – 1957年3月24日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家であり、随筆家としても知られています。日本画に西洋画の写実的な技法を取り入れ、自然主義的な表現を追求したことで、日本画の近代化に大きく貢献しました。 生涯と芸術活動 出身と本名：東京市本所区（現・東京都墨田区）に生まれ、本名は貞松（ていしょう）。旧姓は森田。 師事と学び：1891年（明治24年）、川端玉章の画塾「天真堂」に入門。翌年、東京美術学校日本画科に入学し、1897年（明治30年）に卒業。その後、西洋画科にも学びましたが、1899年に中退しました。 无声会の結成：1900年（明治33年）、平福百穂や福井江亭らとともに、自然主義を標榜する「无声会」を結成し、日本画に写実主義の新風をもたらしました。 金鈴社の設立：1916年（大正5年）、鏑木清方、吉川霊華、松岡映丘らとともに「金鈴社」を設立し、自由で純粋な表現を目指しました。 教育活動：1902年（明治35年）から東京美術学校で教鞭を執り、1905年（明治38年）に助教授、1913年（大正2年）に教授となり、1944年（昭和19年）まで後進の指導にあたりました。 海外留学：1923年（大正12年）から1925年（大正14年）まで、文部省の留学生としてヨーロッパに留学し、フランス・パリなどで風景画を制作しました。 帝国美術院会員：1925年（大正14年）、帝国美術院会員に任命され、1937年（昭和12年）には帝国芸術院会員となりました。 代表作と作風 結城素明は、日本画に西洋画の写実的な技法を取り入れ、自然主義的な表現を追求しました。彼の作品は、写実的で穏やかな作風が特徴です。 『囀（さえずり）』：1911年（明治44年）の第5回文展に出品され、褒状を受けた作品。 『薄光（はくこう）』：1912年（大正元年）の第6回文展に出品され、褒状を受けた作品。 『炭窯（すみがま）』：1934年（昭和9年）の第15回帝展に出品された作品。 『山銜夕暉（さんこうせっき）』：1927年（昭和2年）の第8回帝展に出品された作品。 これらの作品は、東京国立近代美術館や北海道立近代美術館などに所蔵されています。 受賞と栄誉 文展・帝展での受賞：1907年（明治40年）の第1回文展に「無花果」を出品して入選以来、受賞を重ね、大正5年、6年と連続特選となりました。 レジオン・ドヌール勲章：1931年（昭和6年）、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を受章しました。 教育者としての功績：東京美術学校での長年の教育活動により、1945年（昭和20年）に名誉教授の称号を受けました。 著書と随筆活動 結城素明は、随筆家としても活動し、美術に関する著書を多数執筆しました。 『東京美術家墓所誌』：1936年に私家版として刊行された、美術家の墓所を記録した書籍。 『伊豆長八』：1938年に芸艸堂から刊行された、伊豆の漆喰彫刻家・入江長八に関する研究書。 『観賞日本絵画史』：日本絵画の鑑賞と歴史についてまとめた著作。 結城素明は、日本画の伝統を守りつつ、西洋画の写実的な技法を取り入れた作品を多数制作し、日本画の近代化に大きく貢献しました。また、教育者としても多くの後進を育て、その功績は高く評価されています。彼の作品は、現在でも多くの美術館で所蔵され、展覧会などで鑑賞することができます。