郷倉千靭ごうくらせんじん

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 郷倉 千靱(ごうくら せんじん、1892年3月3日 - 1975年10月25日)は、日本画家、日本芸術院会員。

郷倉 千靭(ごうくら せんじん、1892年〈明治25年〉5月10日 – 1975年〈昭和50年〉3月6日)は、富山県出身の日本画家であり、昭和前期から後期にかけて活躍した実力派の画家です。写実に裏打ちされた力強く雄大な風景画や人物画で知られ、日本美術院(院展)を中心に活動しました。

基本情報

氏名:郷倉 千靭(ごうくら せんじん)
本名:郷倉 常次郎(つねじろう)
生年没年:1892年5月10日 – 1975年3月6日
出身地:富山県射水郡太閤山村(現・富山県射水市太閤山)
所属:日本美術院(院展)同人、日本芸術院会員
略歴と画業の展開

1907年(15歳):京都に出て、竹内栖鳳に師事。
1918年:第12回文展にて初入選。
1920年代:再興日本美術院展(院展)を中心に発表を重ね、着実に評価を高める。
1947年:日本美術院同人となる。
1950年代〜:郷土・富山の自然や風土を題材とした雄大な風景画を多く描く。
1962年:日本芸術院賞を受賞。
1966年:日本芸術院会員に就任。
作風の特徴

郷倉千靭の作風は、写実性を基調としつつ、ダイナミックで精神性の高い表現に特徴があります。

主な特徴:
重厚な筆致:水墨表現を含めた力強い線描。
構図の雄大さ:山岳・海岸などの自然風景における空間構成が見事。
郷土色の強さ:富山や立山連峰など、北陸の風土や人々の暮らしを深く描写。
人物画:農村の老人や子どもなど、実在の人物に精神性を吹き込んだ肖像的な作品も高く評価された。
代表作

《立山残照》
雄大な立山の山容を描いた代表的風景画の一つ。富山県の自然美を象徴的に表現。
《白馬岳》
日本アルプスを描いた作品で、郷倉の山岳風景表現の真骨頂とされる。
《風雪》
厳しい自然の中で生きる人間のたくましさを表した作品。人物と風景の融合が見られる。
栄典・受賞歴

1962年:日本芸術院賞受賞
1966年:日本芸術院会員就任
1970年:富山県文化功労賞受賞
1975年:死去。従四位、勲三等旭日中綬章追贈。
教育・後進の育成

郷倉は多くの弟子を育て、富山県を中心とする北陸の美術振興に尽力しました。地元に強く根ざした活動を通じ、地域文化の象徴的存在ともなりました。

所蔵・展示

富山県水墨美術館(富山市):代表作やスケッチが多数収蔵・展示されており、回顧展もたびたび開催。
東京国立近代美術館、日本芸術院にも作品が所蔵。
現在の評価と市場動向

郷倉千靭の作品は、特に富山県を中心に高く評価されており、美術館・ギャラリーでも根強い人気があります。市場でも大型の風景画作品は希少価値があり、高値で取引されることがあります。

関連施設・記念碑

**太閤山ランド(射水市)**には郷倉千靭の記念碑があります。
富山県の学校や公共施設には彼の作品が壁画や寄贈品として残されていることもあります。