寺島紫明てらしましめい

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 寺島 紫明(てらしま しめい、明治25年(1892年)11月8日 ‐ 昭和50年(1975年)1月13日)は、明治時代から昭和時代にかけての日本画家。

寺島紫明(てらしま しめい、1892年〈明治25年〉11月8日 – 1975年〈昭和50年〉1月12日)は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、特に美人画の分野で高い評価を受けました。


生涯と経歴

兵庫県明石市に生まれ、本名は寺嶋徳重。幼少期から文学や絵画に親しみ、17歳で上京し、当初は文学を志していましたが、やがて画家を目指すようになりました。1913年(大正2年)、鏑木清方に師事し、美人画を学びました。翌年には巽画会で初入選し、3等賞を受賞しました。1927年(昭和2年)には第8回帝展に初入選し、以後官展に出品を続けました。

1936年(昭和11年)以降は兵庫県西宮市甲東園に居を構え、以後1975年に亡くなるまで、同地で制作活動を続けました。


作風と代表作

寺島紫明の作品は、簡素な画面構成の中に存在感のある女性像を描くことが特徴です。師である鏑木清方の情緒的な画風を受け継ぎつつ、独自の感性を加え、純度の高い美人画を生み出しました。


代表作には「夕なぎ」(1927年)や「爪」などがあり、女性の内面に迫った美人画を追究しました。また、芦屋など近隣の婦人たちを多く描いています。


展覧会と評価

寺島紫明の作品は、戦後も日展に出品を続け、昭和16年(1941年)と翌年の新文展で特選を受賞しました。また、昭和36年(1961年)には文部大臣賞を、昭和45年(1970年)には日本芸術院賞恩賜賞を受賞しています。

近年では、2022年に西宮市大谷記念美術館で生誕130年を記念した特集展示が開催されました。この展示では、大関コレクションを中心に10数点の作品が紹介されました。


寺島紫明は、女性の内面に迫る美人画を追究し、簡素な画面構成の中に存在感のある女性像を描いた画家として、今なお多くの人々に愛されています。