山口蓬春やまぐちほうしゅん
時代 | 昭和時代 |
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カテゴリー | 絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 山口 蓬春(やまぐち ほうしゅん、1893年10月15日 - 1971年5月31日)は、日本画家。北海道松前郡松城町(現・松前町)生まれ。本名、三郎。 1913年に東京・高輪中学校を卒業後、東京美術学校(現・東京芸術大学)に進学。松岡映丘に師事し、大和絵を習得。23年卒業、1924年新興大和絵会に参加する。26年帝国美術院賞受賞。29年帝展審査員。50年日展運営会参事、日本芸術院会員、54年日展運営会理事、58年日展常務理事、1965年文化勲章受章、文化功労者。69年日展顧問。 画風は西欧絵画の日本的表現と見られる。 山口蓬春(やまぐち ほうしゅん、1893年–1971年)は、近代日本画の革新者として知られ、伝統的な大和絵の技法に西洋のモダニズムを融合させた「蓬春モダニズム」を確立した画家です。その作品は、洗練された色彩と構図、そして自然への深い洞察に満ちています。 生涯と画業の歩み 出身と初期の活動:北海道に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)で学びました。初期は大和絵を中心に制作し、華やかなデビューを飾りました。 戦中の活動:戦時中は藤田嗣治らとともに、新たな表現を模索し、戦争画の制作にも携わりました。 戦後の転機:戦後、神奈川県葉山町に移住し、自然豊かな環境の中で創作活動を行いました。この地で彼の代表的な作品が多く生まれ、「蓬春モダニズム」と称される独自のスタイルを確立しました。 代表作『山湖』:1947年に制作された『山湖』は、静かな湖面を描いた作品で、戦後の新日本画の幕開けを象徴する一枚とされています。この作品は、テレビ東京の番組『新美の巨人たち』でも取り上げられました 。 自然観と芸術哲学 山口蓬春は、自然との一体感を重視し、「自然即自身」との理念のもと、自然の美しさや生命の輝きを作品に表現しました。彼は「絵に年をとらせるな」という信念を持ち、常に新しい表現を追求し続けました 。 また、彼は日本野鳥の会の設立にも関与し、自然保護活動にも積極的でした。自邸の庭に訪れる小鳥たちへの愛情を作品に込めるなど、自然への深い愛情が彼の芸術の根幹にあります 。 日本野鳥の会 山口蓬春記念館 山口蓬春の旧宅は、現在「山口蓬春記念館」として公開されており、彼の作品や収集品、画室などを展示しています。この記念館は、2023年に国の登録有形文化財に指定されました 。 現在、2025年4月5日から6月1日まで、「モダニスト・山口蓬春が愛した葉山と自然 ―Viva Hayama!」と題した企画展が開催されています。この展覧会では、葉山の海をイメージさせる「蓬春モダニズム」の作品を中心に、蓬春が愛した自然の姿を紹介しています 。 山口蓬春の作品は、自然への深い洞察と独自の美意識によって、今も多くの人々に感動を与え続けています。彼の芸術に触れることで、日本画の新たな魅力を再発見できるでしょう。 |