成沢臨舟なるさわりんしゅう

時代 昭和9年〜
標準発表価格 540,000 円
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 現代書家・漢字作家
プロフィール 長野県出身。

成沢臨舟(なるさわ りんしゅう)氏は、長野県小諸市を拠点に活動する書家であり、地域の書道教育と文化振興に多大な貢献をしてきた人物です。

略歴と経歴
本名:成沢 泰廣(なるさわ やすひろ)
出身地:長野県東御市
学歴:祢津小中学校を経て、上田松尾高校(現・上田高校)卒業
職歴:東京の大手医薬品メーカーに勤務後、40歳で小諸市に移住し、アウトテリア関連企業に定年まで勤務
書道歴:小学校時代に皆勤賞として贈られた硯箱がきっかけで書道に興味を持ち、高校時代から本格的に取り組む。社会人になってからも師の教えを受け、研鑽を積む

主な受賞歴と表彰
読売書法展:読売俊英賞
謙慎書道展:特選謙慎賞
長野県書道展:県展選奨
長野県民文化部表彰(2024年):文化芸術分野功労者として表彰

教育活動と地域貢献
書道教室:小諸市内外で書道教室を開き、多くの弟子を育成。現在は自宅教室で指導を続け、他の教室は弟子が継承
小学校での指導:小諸市内の野岸小学校、東小学校、美南ガ丘小学校などで、児童一人ひとりに名前入りのお手本を提供するなど、熱心な指導を行う
書初め展の審査:昭和59年から小諸市児童生徒新年書初め展の審査員を務め、令和2年からは審査員長として活動
図書カードの寄付:小諸東中学校に15年3ヶ月にわたり毎月5,000円の図書カードを匿名で寄付し、後に「成沢文庫」として知られるようになる

書風と指導理念
成沢氏の書風は、力強さと繊細さを兼ね備えた筆致が特徴であり、特に大字書においてその表現力が際立っています。指導においては、技術的な評価よりも、書に対する心構えや表現力を重視し、例えば「河川護岸工事で並べられたブロックと、懐古園の石垣、どちらが心を潤すか」といった問いかけを通じて、弟子の気づきを促す指導を行っています。

出版物と作品集
成沢氏の傘寿(80歳)を記念して、「傘寿記念 成沢臨舟書展 一門柏心書会選抜書展作品集」が刊行されています。この作品集には、成沢氏とその門下生の作品が収められており、書道界での彼の影響力と教育活動の成果が伺えます。


成沢臨舟氏は、書道家としての技術と指導者としての経験を兼ね備え、地域社会に深く根ざした活動を続けている人物です。その功績は、長野県内外で高く評価されており、今後もその活動が注目されることでしょう。