橋本関雪はしもとかんせつ

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画,掛け軸
作品種別 日本画
プロフィール 橋本 関雪(はしもと かんせつ、1883年(明治16年)11月10日 - 1945年(昭和20年)2月26日)は日本画家。本名は貫一。

橋本関雪(はしもと かんせつ、1883年11月10日 – 1945年2月26日)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、中国文化への深い造詣と独自の画風で知られています。


生涯と芸術的背景
兵庫県神戸市に生まれた橋本関雪は、儒学者である父・橋本関海の影響を受け、幼少期から漢学や書画に親しみました。1895年、12歳で四条派の画家・片岡公曠に師事し、1903年には京都で竹内栖鳳の竹杖会に入門。その後、1906年に神戸絵画研精会を組織し、1913年には初めて中国を訪れました。以降、生涯で数十回にわたり中国を訪れ、中国の風物や古典文学に題材を取った作品を数多く制作しました。


作風と代表作
橋本関雪の作品は、中国の古典文学や風景、動物を題材にしたものが多く、写実的な描写と詩情豊かな表現が特徴です。特に動物画では、猿を描いた作品が有名で、「猿の関雪」と称されることもあります。


代表作には以下のようなものがあります:

『琵琶行』(1910年):唐の詩人・白楽天の詩に着想を得た作品で、琵琶を奏でる女性とそれを聴く白楽天の情景を描いています。

『猟』(1915年):狩猟の場面を描いた作品で、第9回文展で2等賞を受賞しました。

『玄猿』(1933年):黒いテナガザルを描いた作品で、昭和天皇から高い評価を受け、文部省に買い上げられました。

『木蘭詩』(1920年):中国の伝説的な女性・木蘭を題材にした作品で、戦地から帰還する木蘭の姿を描いています。

『香妃戎装』(1944年):ウイグル族の王妃「香妃」を描いた作品で、現在は衆議院に所蔵されています。

現在の評価と展示
橋本関雪の作品は、現在でも高く評価されており、各地の美術館で展示されています。特に、京都市左京区の「白沙村荘 橋本関雪記念館」では、彼の旧居を保存・公開しており、多くの作品や資料を鑑賞することができます。


また、2023年には生誕140周年を記念して、福田美術館や嵯峨嵐山文華館などで大規模な回顧展「KANSETSU─入神の技・非凡の画」が開催されました。


橋本関雪は、伝統的な日本画の技法を基盤にしながらも、中国文化や自身の感性を融合させた独自の画風を確立しました。その作品は、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。