矢萩春恵やはぎしゅんけい

標準発表価格 650,000 円
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 現代書家・漢字作家
プロフィール 矢萩春恵(やはぎ しゅんけい)さんは、日本を代表する女流書道家であり、書の芸術性と国際的な広がりを体現した人物です。2024年5月17日、心不全のため96歳で逝去されました。

基本情報と学歴
本名:矢萩 喜恵子(やはぎ きえこ)
生年:昭和3年(1928年)
出身地:東京都神田
学歴:
共立女子薬科大学卒業
東京大学医学部薬学科選科1年修了

書道家としての歩み
師事:
漢字書道を手島右卿氏に、かな書道を町春草氏に師事
展覧会:
1974年に初個展を開催
以降、東京、京都、大阪、沖縄、香港、フランス、アメリカ、インドなど国内外で個展を開催
国際活動:
1975年、外務省の訪欧文化使節団員としてヨーロッパ主要都市で作品展を開催し、書のパフォーマンスを披露
1989年から1991年まで、ハーバード大学で客員教授として東洋美術史学科の「書」の講座を担当

主な受賞歴と社会貢献
1958年より日展に6回入選
2003年、毎日書道顕彰 啓蒙部門受賞
2008年、文化庁長官賞受賞
1987年から2009年まで、財団法人日本ユニセフ協会のチャリティー年賀状にボランティアとして参加(22回)

教育活動と影響力
「夏雲会」を主宰し、多くの書道家を育成
毎日書道展参与会員、財団法人独立書人団監事、財団法人橋田壽賀子文化財団評議員などを歴任
その教え子には、漆芸蒔絵の人間国宝である室瀬和美氏も含まれます


書風と哲学
矢萩春恵さんの書は、線質や間(ま)を重視し、墨の濃淡やかすれを通じて感情や思想を表現することに特徴があります。彼女は「美しく書くことは誰にでもできるが、相手に訴える線質を持つことが重要」と述べ、書の本質を追求し続けました。

晩年の活動と遺産
2022年10月、銀座のセイコーハウス銀座ホールで個展「ま・な・ざ・し」を開催し、51点の新作を展示
生涯独身を貫き、書道を通じて多くの人々と交流
晩年まで精力的に創作活動を続け、豪華客船「飛鳥3」からの依頼で作品を提供するなど、その影響力は多方面に及びました