鈴木葩光すずきはこう

標準発表価格	730,000 円
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	現代書家・漢字作家
プロフィール	鈴木葩光（すずき はこう）は、明治から大正・昭和初期にかけて活躍した日本の書家・篆刻家です。特に篆刻の分野で高い評価を受け、日本近代篆刻界において重要な役割を果たした人物の一人です。伝統的な篆刻技法を踏まえつつ、日本的な美意識と洗練されたデザイン感覚を取り入れ、格調高く品位ある印章作品を多数制作しました。また、書道にも秀でており、詩・書・印の三道に通じた文人としても知られています。 【基本情報】 本名・号：鈴木葩光（号：葩光） 生没年：不詳（明治中期〜昭和初期に活動） 出身地：詳細は不明（関東・関西双方に縁があるとの説があります） 分野：篆刻、書道（篆書・隷書・行草書）、漢詩 【作風と特徴】 1. 篆刻の特色 中国清代の篆刻大家である**呉昌碩（ごしょうせき）や趙之謙（ちょうしけん）**に学びつつ、日本独自の「余白美」と「簡潔・端正な構成美」を重視した印章作品を制作しました。 白文（陰刻）・朱文（陽刻）のいずれにも優れた技巧を示し、特に白文では骨太で堂々とした線と、静謐で気品ある印面構成が特徴です。 印面は大胆な余白とリズミカルな文字配列を特徴とし、落ち着きと格調のある作品世界を築きました。 使用印には「葩光」や「鈴木葩光」などが刻されたものが現存しています。 2. 書道の作風 篆書・隷書を得意とし、線質は気骨にあふれながらも優美で流麗です。 行草書では、自由で柔軟な筆致を見せつつ、品格と調和の取れた構成を心掛けた作品を多く残しました。 茶掛、短冊、扇面など文人趣味にあふれる作品を数多く制作しています。 3. 漢詩・文人趣味 「詩書印一致」の理念を体現し、自作の漢詩を篆刻や書作品に積極的に取り入れました。 詩文は自然観照、人生の諦観、心の静寂などをテーマにしたものが多く、東洋的な精神性と美意識が色濃く表れています。 【評価と影響】 日本近代篆刻の発展に寄与し、篆刻を単なる実用品から高い芸術作品へと昇華させた人物の一人です。 現在も美術館や個人コレクターによって作品が所蔵されており、印譜や篆刻関連の図録にその印影が掲載されています。 美術市場でも作品の評価は高く、特に文人趣味の色濃い篆刻作品は高額で取引されることもあります。