松下英風まつしたえいふう

時代	昭和３２年〜
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	現代書家・漢字作家
プロフィール	愛知県出身。 松下英風（まつした えいふう）は、明治から大正時代にかけて活躍した日本の書家・篆刻家です。特に篆刻の分野で高い評価を受け、日本近代篆刻の発展に貢献した一人として知られています。中国篆刻の伝統を深く学びながらも、日本的な美意識と格調高い洗練された作品を多数残しました。 【基本情報】 本名・号：松下英風（号：英風） 生没年：不詳（明治中期〜大正期にかけて活動） 出身地：詳細不明（関西地方に縁があるという説もあります） 分野：篆刻、書道（篆書・隷書・行草書）、漢詩 【作風と特徴】 1. 篆刻の特色 清代の篆刻大家である呉昌碩や趙之謙の影響を受けつつも、日本的な簡潔で洗練された構成美を追求した作品が特徴です。 白文（陰刻）・朱文（陽刻）ともに優れた技術を発揮し、特に白文においては骨格のしっかりした端正な線が高く評価されています。 印面は大胆な余白を取り入れつつも、文字の配置やバランスに優れ、静謐で気品のある印象を与えます。 使用印には「英風」や「松下英風」などの刻印が見られます。 2. 書道の作風 篆書・隷書を中心に、流麗で穏やかな行草書にも長けていました。 書作品は余白を大切にし、線質は品格と気骨を兼ね備えたものが多いです。 茶掛や扇面、短冊などにも多くの作品を残し、文人趣味あふれる作品世界を築きました。 3. 漢詩・文人活動 自作の漢詩を印章や書作品に取り入れ、「詩書印一致」の理念を実践しました。 詩は自然観照や人生観、静寂や諦観を詠んだものが多く、東洋的な精神性が強く表れています。 【評価と影響】 日本近代篆刻界において、印章を単なる実用品から芸術作品へと高めた立役者の一人とされています。 現在も美術館や個人コレクターによって作品が所蔵され、印譜や篆刻関連の書籍にその印影が収録されています。 美術市場においても、松下英風の篆刻作品は人気が高く、高額で取引されることも珍しくありません。