徳岡神泉とくおかしんせん

時代 昭和時代
カテゴリー 絵画、書画,掛け軸
作品種別 日本画
プロフィール 徳岡 神泉(とくおか しんせん、1896年2月14日 - 1972年6月9日)は、京都市生まれの日本画家。本名、時次郎。
京都写生派の流れに立った写実を発展させ、神泉様式とも表現される幽玄かつ象徴的な独自の日本画は、戦後の日本画に大きな影響を与えた。作品全体に深い印象を与える繊細な地塗りも有名。1966年(昭和41年)文化勲章受章。

徳岡神泉(とくおか しんせん、1896年2月15日 – 1972年4月10日)は、大正から昭和にかけて活躍した日本画家で、特に花鳥画と静物画に独自の境地を開いたことで知られています。伝統的な日本画の技法を基盤にしながら、西洋的な色彩感覚と洗練されたデザイン性を取り入れた、優美で気品ある作品を多数残しました。

【基本情報】
本名:徳岡 神泉(とくおか しんせん)
生年月日:1896年2月15日
没年月日:1972年4月10日(享年76歳)
出身地:京都府京都市
学歴:京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)卒業
師匠:竹内栖鳳(近代日本画の巨匠)
受賞歴:文化勲章(1968年)
【画風と芸術観】
1. 花鳥画の革新者

徳岡神泉は伝統的な花鳥画を、現代的な感覚で洗練させたことで高く評価されます。
優雅な曲線、リズミカルな構図、簡潔で洗練された色彩により、格調高くもモダンな花鳥画を創出しました。
花や鳥の姿を単に写実的に描くのではなく、抽象化や省略を取り入れ、気品と静謐さを表現しています。
2. 大胆な装飾性とデザイン感覚

画面構成は非常に計算されており、背景に大胆な余白を活かすことで、主題の存在感を際立たせています。
西洋美術のデザイン的要素や装飾美も取り入れ、華やかさと静けさが共存する独自の画境を築きました。
3. 静物画にも独自の境地

静物画では、陶磁器や花器、果物などをテーマに、品格ある構成と洗練された筆致で描き出しています。
「ものの美しさ」を引き出すために、形の単純化と色彩の調和を重視しました。
【代表作】
《花菖蒲》
→ 端正な構図と繊細な色彩で、花菖蒲の凛とした美しさを表現した名作。
《鷺》
→ 余白を大胆に取り入れ、気品ある白鷺の姿を静謐に描いた作品。装飾的な美しさが際立つ。
《葡萄図》
→ シンプルながらも実りの豊かさと自然の調和を象徴的に描いた静物画の代表作。
《香炉》
→ 陶磁器を題材とした静物画。繊細な質感描写と格調高い構図が特徴。
【人物像とエピソード】
幼少期から美術の才能を示し、竹内栖鳳に師事して本格的に画業に入ります。
物静かで温厚な性格だった一方、作品に対しては非常に厳格で、完成までに時間を惜しまず丹念に描き上げました。
生涯を通じて京都を拠点に活動し、伝統文化と現代美術の融合を生涯のテーマとしました。
【栄典】
1968年:文化勲章受章
文化功労者
【評価と影響】
現在も多くの作品が京都国立近代美術館や東京国立近代美術館などに所蔵されています。
花鳥画の近代化における最重要人物の一人と位置づけられ、戦後の日本画家にも大きな影響を与えました。
美術市場においても人気が高く、特に花鳥画はコレクターから高い評価を受けています。