速水御舟はやみぎょしゅう

時代	昭和時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	速水 御舟（はやみ ぎょしゅう、1894年（明治27年）8月2日 - 1935年（昭和10年）3月20日）は、大正期～昭和初期の日本画家である。本名は蒔田 栄一（まきた えいいち、後に速水に改姓）。 1894年（明治27年）8月2日、東京府東京市浅草区に生まれる。従来の日本画にはなかった徹底した写実、細密描写からやがて代表作「炎舞」のような象徴的・装飾的表現へと進んだ。長くない生涯に多くの名作を残し、「名樹散椿」（めいじゅちりつばき）は昭和期の美術品として最初に重要文化財に指定された。1935年（昭和10年）3月20日、腸チフスにより急逝した。40歳没。 速水御舟（はやみ ぎょしゅう、1894年8月2日 – 1935年3月20日）は、大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、近代日本画壇を代表する革新者の一人です。伝統的な日本画技法を基盤にしつつ、西洋美術や写実主義、装飾性を取り入れた独自の表現を追求しました。わずか40歳で夭折しましたが、その短い生涯の中で日本画の近代化に大きな足跡を残しました。 【基本情報】 本名：速水 榮一（はやみ えいいち） 号：御舟（ぎょしゅう） 生年月日：1894年8月2日 没年月日：1935年3月20日（享年40歳） 出身地：東京市（現在の東京都） 師匠：松本楓湖（安雅堂画塾で学ぶ） 【画風と作風の変遷】 1. 初期（伝統回帰と写実主義の模索） 日本美術院に参加し、伝統的な大和絵や琳派の装飾的要素に惹かれた作品を多く制作。 代表作《炎舞》（1925年）は、写実的な蛾の描写と幻想的な炎の装飾美が融合した傑作で、御舟の名を一躍高めました。 2. 中期（写実から超写実へ） 西洋の印象派や写実主義に強く影響を受け、「細密描写」の極致を目指します。 《名樹散椿》（1929年）は、老樹の椿の花が咲き誇る様子を極めて緻密に描いた作品で、装飾性と写実が高次元で融合した代表作。 3. 晩年（抽象化への試み） 晩年は病気療養中に中国旅行を経験し、水墨画や禅的な余白美、抽象的表現にも関心を示しました。 終生、日本画の枠組みにとらわれず、新たな表現を模索し続けました。 【主な代表作】 《炎舞》（1925年、日本美術院展出品） 《名樹散椿》（1929年、日本美術院展出品） 《翠苔緑芝》（1930年） 《洛北修学院村》（1932年） 《春昼》（1934年、未完の遺作） 【評価と影響】 速水御舟は伝統と革新を融合させた天才的画家と評され、近代日本画の発展に決定的な影響を与えました。 彼の繊細な描写力と美意識は、後の東山魁夷や加山又造などにも影響を与えています。 現在も東京国立近代美術館や山種美術館などに代表作が所蔵されており、展覧会では高い人気を誇ります。 【エピソード】 若くして病弱でありながら、絵に対する情熱は非常に強く、制作に没頭するあまり体調を崩すことも度々あったと言われます。 夭折後、その芸術的功績を称え、1950年に「炎舞」が重要文化財に指定されています。