小室谿邨こむろけいそん

時代	大正時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	小室谿邨（こむろ けいそん）は、明治から大正期にかけて活躍した日本の書家・篆刻家・南画家で、特に文人趣味を色濃く反映した書画と篆刻で高名です。教養豊かな文人としても知られ、漢詩・書・画・印を兼ね備えた「四絶」に秀でた人物と評価されています。 【基本情報】 本名：小室谿邨（諱や別号については資料不足のため不詳） 生没年：不詳（おそらく明治中期〜昭和初期にかけて活動） 出身地：関東地方との説あり 活動分野：書道（特に行草書）、篆刻、南画（文人画）、漢詩 【作風と特徴】 1. 書道 主に行草書を得意とし、清新で潤いのある筆致が特徴。 王羲之や米芾の流れを汲みながらも、日本的な簡素で洒脱な美を追求。 掛け軸や扇面などに好んで詩文を書し、余白の美しさを活かした構成が印象的です。 2. 篆刻 篆刻では白文・朱文いずれも高い技術を見せ、特に石印に優雅さと気品が漂う作風。 印面構成に大胆な間（余白）を取り入れ、文人趣味が色濃く反映されています。 使用印に「谿邨」や「小室」などの印が確認されています。 3. 南画（文人画） 山水画や花鳥画を得意とし、南宗画の淡墨表現に長けた作品を多く残しています。 絵の中に自作の漢詩を添える「詩書画印」一体の作品を理想とし、多くの文人たちと交流しました。 【交流関係】 同時代の文人としては、中林梧竹、日下部鳴鶴、富岡鉄斎らと交流があったと伝えられています。 茶人や俳人とも親交が深く、茶掛や短冊などにも多くの作品を残しています。 【現存する作品】 篆刻印譜、掛軸、扇面書、南画作品が骨董市場や一部の美術館に所蔵。 市場に出ることは少ないものの、書道や文人趣味の愛好家には今なお根強い人気があります。