森琴石もりきんせき

時代	大正時代
カテゴリー	絵画、書画,掛け軸
作品種別	日本画
プロフィール	森 琴石（もり きんせき、1843年3月19日（天保14年2月19日[1]） - 1921年（大正10年）2月24日）は、日本の明治から大正にかけて大阪で活躍した南画家、銅版画家。晩年には文展審査員に任命され、大阪南画の総帥と目される一方、若年期は南画を描くかたわら響泉堂の名で、優れた銅版画を数多く制作した。 森琴石（もり きんせき、1843年3月19日 – 1921年2月24日）は、明治から大正時代にかけて大阪で活躍した南画家・銅版画家です。その多才な活動と独自の芸術性により、大阪画壇の重鎮として高く評価されました。 基本情報と経歴 本名：森 熊（のちに繁と改名） 号：蘆橋、金石、琴石、栞石、鉄橋、雲根館など 字（あざな）：吉夢 出生地：摂津国有馬温泉（現在の兵庫県神戸市北区） 養家：大阪の森家（旅館「出石屋」を経営） 師匠：鼎金城、忍頂寺静村 森琴石は、3歳で大阪の森家の養子となり、7歳から南画を学び始めました。明治6年（1873年）には東京に遊学し、高橋由一から洋画の手ほどきを受けたとされています。その後、大阪に戻り、南画家としての活動を本格化させました。 銅版画家「響泉堂」としての活動 森琴石は、「響泉堂（きょうせんどう）」の名で銅版画家としても活躍しました。明治8年頃から21、22年にかけて、多くの銅版画を手掛け、現在確認されているだけでも60点から70点以上が存在します。特に地図は25点以上と多く、教科書や辞書、文学作品の挿絵など、多岐にわたる分野でその技術を発揮しました。代表作には、ジュール・ヴェルヌの『九十七時二十分間月世界旅行』の挿絵などがあります。 教育者・文化人としての貢献 森琴石は、画家としての活動だけでなく、美術教育にも力を注ぎました。明治17年（1884年）には、大阪で初めて設立された画学校「浪華画学校」で支那画（中国画）の講師を務め、後進の育成に尽力しました。また、明治22年（1889年）には矢野五洲と共に「浪華学画会」を結成し、翌年には大阪府立博物場で「大阪絵画共進会」を開催するなど、大阪の美術界の発展に寄与しました。 晩年と評価 森琴石は、内国勧業博覧会や日本美術協会展などで受賞を重ね、明治43年（1910年）には帝室技芸員の候補にも挙げられました。大正2年（1913年）には、大阪の画家として初めて文展審査員に選ばれました。晩年は病気がちで、大正10年（1921年）に78歳で没しました。その作品は、現在も国内外の美術館に所蔵されており、サンフランシスコ・アジア美術館には、彼の描いた袱紗（ふくさ）が収蔵されています。