福島隣春ふくしまちかはる
時代 | 明治時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 幕末・明治の画家。江戸生。字は吉人、号は花所・雨迺屋、通称は伊勢屋佐平。明治15年(1882)歿、72才 **福島隣春(ふくしま りんしゅん)**は、江戸時代後期から明治時代初期にかけて活躍した日本画家・文人画家です。古土佐派の伝統を受け継ぎつつ、能画や和歌の世界にも通じた多才な人物として知られています。 基本情報 本名:福島左平(ふくしま さへい) 字(あざな):吉人(きちじん) 号:花所(かしょ)、雨の舎(あまのや)など 生地:江戸・浅草花川戸(現在の東京都台東区) 職業:元は質商「伊勢屋」を営んでいたが、後に画業に専念 没年:明治15年(1882年)9月16日、享年72歳 墓所:浅草阿部川町の歓名寺(真宗高田派) 画風と活動 福島隣春は、古土佐派の画風を継承し、特に能画の描写に優れていました。また、和歌にも通じ、詩情豊かな作品を多く残しています。彼の作品には、繊細な筆致と豊かな色彩感覚が見られ、江戸時代の文人画の特徴を色濃く反映しています。 代表作の一つに『秋草団扇図』があり、これは女性が団扇を手に秋草を背景に佇む姿を描いたもので、優雅で詩情豊かな作品として評価されています。この作品は、現在も美術市場で取引されており、彼の画業の一端を知ることができます。 人物像と逸話 福島隣春は、雷を非常に恐れていたことで知られています。雷鳴の中で訪問者があると、大いに喜び、引き留めて帰さず、雷が静まった後に絵を描いて贈ったという逸話が伝えられています。また、九代目市川団十郎が彼の門下であったとも言われており、当時の文化人との交流も深かったことが窺えます。 作品と資料 福島隣春の作品は、現在も一部が美術市場や古書店で取り扱われています。例えば、鬼灯書房では彼の作品を含む文人画や日本画の古書を扱っており、興味のある方は参照されると良いでしょう。 まとめ 福島隣春は、江戸後期から明治初期にかけて活躍した画家であり、古土佐派の伝統を継承しつつ、能画や和歌の世界にも通じた多才な人物でした。彼の作品は、繊細な筆致と詩情豊かな表現で、現在も一部が美術市場で取引されています。また、当時の文化人との交流や逸話も多く、江戸時代の文人画家としての魅力を今に伝えています。 |