竹村大鳳たけむらたいほう

時代 明治時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 竹村 大鳳(たけむら たいほう)は、明治から大正時代にかけて活躍した南画家(文人画家)です。中国伝来の南宗画(文人画)の技法を基礎としながら、日本的な情緒や詩情を重んじた作品を多く残しました。漢詩・書にも秀で、詩書画三道を兼ね備えた典型的な文人として知られています。

【基本情報】
名前:竹村 大鳳(たけむら たいほう)
生年:明治初期(1870年頃)と推定
没年:大正末期または昭和初期(正確な没年は不詳)
出身地:大阪または京都周辺と伝わる
号:大鳳
【人物像と活動】
■ 南画家としての活動

幼少期から漢学と書画を学び、特に中国明清時代の文人画に強く影響を受けました。
山水画を最も得意とし、淡墨と濃墨のバランス、余白の美を活かした幽玄な風景を描きました。
大阪や京都の文人たちとの交流を重ね、書画会や詩会に積極的に参加しました。
■ 書と詩の素養

漢詩を多く詠み、自作の詩を賛として作品に添えています。
書は特に行書・草書に優れ、流麗で格調高い筆致を持っていました。
「詩書画一致」の作品を数多く制作しており、純粋な文人理想を体現した人物とされています。
■ 交流関係

同時代の文人画家である小室翠雲や冨岡鉄斎の影響を受けたとされ、面識があった可能性もあります。
大阪の文人サロンでは中心的な存在であり、後進の育成にも熱心でした。
【作風の特徴】
山水画:霧や霞を巧みに表現し、静謐で詩情豊かな画面を作り出す。
花鳥画:竹、梅、蘭など「四君子」を好んで描き、清廉な精神性を表現。
技法:にじみやぼかしを効果的に用い、淡彩を加えた柔らかな色調の作品も残しています。
【代表作品】
「幽谷清韻図」
「春山行旅図」
「梅花図巻」
これらの作品は、現在も大阪や京都周辺の旧家や一部の地方美術館に伝わっているとされています。

【晩年と評価】
晩年は静かに隠棲生活を送り、詩書画に没頭したと伝えられています。
市場での評価は比較的安定しており、南画愛好家の間では人気の高い画家の一人です。
近年、文人画再評価の流れの中で、彼の作品も再び注目されつつあります。