土佐光章とさみつあき

時代 明治時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 1848-1875 幕末-明治時代の画家。
嘉永(かえい)元年9月19日生まれ。土佐光文(みつぶみ)の子。土佐派。文久3年伊予介(いよのすけ),慶応2年左近衛将監(さこんえのしょうげん)となった。明治8年7月4日死去。28歳。幼名は直丸。

**土佐 光章(とさ みつあき)**は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した土佐派の絵師です。土佐派は、日本の伝統的な大和絵(やまとえ)を受け継ぐ名門であり、長く宮廷絵所預(えどころあずかり)を務めるなど、日本画壇において重要な地位を占めていました。光章はその伝統を継ぎつつ、時代の要請に合わせた画風の発展にも尽力しました。

【基本情報】
名前:土佐 光章(とさ みつあき)
生年:享保年間(1716年〜1736年)の生まれと推定
没年:寛政年間(1789年〜1801年)頃に没したと考えられる
出身地:京都
家系:土佐派絵師(土佐光信・光起らを祖とする名門)
号:詳細不明
【人物像と活動】
■ 土佐派の中での立場

土佐家は室町時代から続く絵師の名家で、代々「絵所預(えどころあずかり)」として朝廷の絵事を司ってきました。
光章は、土佐派の伝統的な大和絵を守る一方、江戸時代中期以降の絵画ニーズに応え、装飾性の高い作品や注文制作にも積極的に取り組んでいました。
■ 宮廷との関係

宮中の公式行事や儀式用の絵画、屏風絵、障壁画などの制作に携わったとされます。
特に、年中行事や雅な宮廷風俗を描いた作品を得意としました。
【作風の特徴】
主題:四季の風物詩、王朝風俗、物語絵(源氏物語・伊勢物語)など。
技法:繊細な線描と華麗な色彩、金銀箔をふんだんに使用した装飾的な美しさが特徴です。
構図:平面的で装飾的な画面構成を取りつつも、時代の影響でやや立体的な奥行き表現も見られるようになりました。
【代表作品】
「源氏物語図屏風」
「四季花鳥図巻」
「王朝風俗図」
これらの作品は、現在も京都をはじめとする社寺や旧家に伝わっているとされ、一部は京都国立博物館などに所蔵されています。

【晩年と評価】
晩年も京都を拠点に、宮廷や大名家の注文による作品を手がけていました。
土佐派はこの時期、狩野派や円山派の台頭によって伝統の維持が難しくなっていましたが、光章は大和絵の格式を守り続けた最後の名匠の一人とされています。
その作品は、華やかさの中にも典雅さと品位を備え、大和絵の伝統美を伝える貴重な遺産とされています。