服部波山はっとりはざん

時代 明治時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 日本画
プロフィール 1827-1894 幕末-明治時代の画家。
文政10年生まれ。江戸根岸にすみ,文人画で知られた。信濃(しなの)や紀伊(きい)などに旅をして自然を写生。大沼枕山(ちんざん),中根半嶺(はんれい)らと交遊した。明治27年10月10日死去。68歳。下総(しもうさ)豊田郡(茨城県)出身。名は謙。字(あざな)は自牧。通称は謙蔵。

服部 波山(はっとり はざん、1878年2月1日 ~ 1960年1月26日)は、日本の近代陶芸を代表する名匠であり、日本陶芸界で初めて文化勲章を受章した人物です。伝統的な陶芸技法に基づきつつ、西洋的な感覚や独自の美意識を融合させた作品で、近代陶芸の発展に大きく貢献しました。特に「白磁」「彩磁」「彫刻磁器」などの分野で多くの名品を生み出しています。

【基本情報】
名前:服部 波山(はっとり はざん)
本名:服部 長七(はっとり ちょうしち)
生年:1878年2月1日
没年:1960年1月26日(享年81歳)
出身地:茨城県真壁郡下館町(現在の筑西市)
号:波山(はざん)
【略歴】
■ 初期の修業

1894年、東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学。当初は彫刻科でしたが、後に図案科に転科しました。
卒業後は陶磁器デザインの道に進み、瀬戸や有田など各地の窯業地で技術を学びました。
■ 独自の作風の確立

1908年、東京に自身の窯「波山窯」を開設し、本格的な作陶を開始。
伝統的な陶磁器に加え、西洋美術やアール・ヌーヴォーなどの影響を受けた洗練されたデザインを取り入れました。
代表的な技法には「彩磁(さいじ)」「彫刻磁器」「釉下彩(ゆうかさい)」などがあります。
■ 受賞・栄誉

帝展や文展などの公募展で数多くの賞を受賞。
1953年、日本陶芸界で初めて文化勲章を受章。
1955年には**重要無形文化財保持者(人間国宝)**に推挙される話もありましたが、辞退しています。
【作風の特徴】
彩磁(さいじ):釉薬の下に鮮やかな絵付けを施す技法。透明感と気品ある色彩が特徴。
白磁(はくじ):純白の磁器に繊細な彫刻やレリーフを施す優美な作品。
彫刻磁器:器体に精緻な彫刻を施し、立体的な美しさを追求。
作風全体の特徴:静謐で格調高く、東洋的な詩情と西洋的な造形美が見事に融合している。
【代表作品】
《葆光彩磁珍果文花瓶》
→ 彩磁技法による代表作で、光沢感のある優美な色彩が印象的。
《白磁蓮華文花瓶》
→ 清らかな白磁に精緻な蓮の花文様が彫刻された気品ある作品。
《彩磁蓮池図花瓶》
→ 釉下彩による蓮池の情景を描いた詩的な作品。
多くの作品は、東京国立近代美術館、茨城県陶芸美術館などに所蔵されています。

【晩年と死去】
晩年は茨城県下館市に戻り、後進の育成に尽力しました。
1960年、81歳で逝去。生涯を通じて、約半世紀にわたり日本陶芸界の発展に貢献しました。
【現代での評価】
日本近代陶芸の礎を築いた巨匠の一人として高く評価されています。
彼の作品は現在も国内外のオークションで高値で取引されており、近代陶磁器コレクターにとって非常に人気の高い対象です。
また、彼の名を冠した「波山記念館」が茨城県筑西市に設立され、その業績が今も広く紹介されています。