山田文厚やまだぶんこう

時代	明治時代
カテゴリー	掛け軸,絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	日本画家。京都生。名は平三郎、字は和平、号は春霞・晴霞・養素斎等。初め泉春園、のち塩川文麟に学び、山水・花鳥を能くする。明治35年(1902)歿、57才。 山田文厚（やまだ ぶんこう、1846年〈弘化3年〉–1902年〈明治35年〉）は、明治時代の京都を拠点に活躍した日本画家です。名は平三郎、字（あざな）は和平、号は春霞・晴霞・養素斎など複数を用いました。初めに岸駒門下の泉春園に学び、後に四条派の塩川文麟に師事しました。 作風と作品 山田文厚は、山水画や花鳥画を得意とし、四条派の伝統を受け継ぎながらも、写実性と装飾性を融合させた作品を多く残しました。彼の作品には、以下のようなものがあります： 「華頂山雨景ノ図」：雨に煙る山景を描いた作品で、繊細な筆致が特徴です。 「琴棋書画図」：文人の四芸を題材にした作品で、文化的な深みを感じさせます。 「松下弾琴」：松の下で琴を奏でる人物を描いた作品で、静謐な雰囲気が漂います。 「松上に双鶴図」：松の上に佇む二羽の鶴を描いた作品で、吉祥の象徴とされています。 また、浄福寺大方丈の天井画「鳴龍」も手がけており、寺院の装飾画にも関与していました。 活動と受賞歴 山田文厚は、国内外の博覧会に積極的に出品し、多くの賞を受賞しました： 内国勧業博覧会：明治10年（1877年）第1回、明治14年（1881年）第2回に出品。 内国絵画共進会：明治13年（1880年）に出品。 パリ万国博覧会：明治22年（1889年）に出品し、金牌を受賞。 新古美術品展：明治期に出品。 また、明治22年（1889年）には京都市画学校（現・京都市立芸術大学）の教諭に就任し、後進の指導にも尽力しました。 所蔵・閲覧可能な場所 山田文厚の作品は、以下の場所で所蔵・閲覧が可能です： 国立美術館：名家画帖「画苑」などが所蔵されています。 長流美術館：「美人図」などが展示されています。 京都市立芸術大学：彼の経歴や作品に関する資料が収蔵されています。 山田文厚は、明治時代の京都画壇において重要な役割を果たした画家の一人です。彼の作品は、四条派の伝統を受け継ぎながらも、独自の表現を追求したものであり、現在でも多くの人々に愛されています。