長谷川玉峰はせがわぎょくほう

時代	明治時代
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	日本画
プロフィール	幕末の四条派の画家。京都生。名は長盈・師盈、字は士進。松村景文の門に学び、花鳥画を能くした。明治12年(1879)歿、58才。 長谷川玉峰（はせがわ ぎょくほう、1822年～1879年）は、幕末から明治初期にかけて活躍した日本画家で、京都出身の四条派の画人です。名は師盈（しえい）、長盈（ちょうえい）、字（あざな）は士進（ししん）、別号に等斎（とうさい）があります。父は画家の長谷川玄門で、四条派の松村景文に師事し、その技量は景文門下随一と称されました。 生涯と画業 文政5年（1822年）に京都で生まれた玉峰は、花鳥画を得意とし、師である松村景文の影響を強く受けました。元治元年（1864年）の蛤御門の変により京都を離れ、近江日野（現在の滋賀県蒲生郡日野町）に約3年間滞在しました。この期間に大津祭の曳山「源氏山」の天井画などを制作し、その後も近江を訪れて多くの作品を残しました。 門人と影響 玉峰の門人には、小波魚青（こなみ せいぎょ、1844年～1918年）がおり、彼は伊予の宇和島伊達藩の側臣家に生まれ、後に長崎に移住しました。明治24年（1891年）には、ロシア皇太子ニコライ2世が長崎を訪れた際、長崎県知事官邸で席画を披露したと伝えられています。 作品と評価 玉峰の作品は、花鳥画を中心に、山水画や人物画など多岐にわたります。その繊細な筆致と色彩感覚は高く評価されており、現在も古美術市場で取引されています。例えば、「椿小禽図」や「螢之図」などの掛軸作品が知られています。 家族と後継者 玉峰の長男である長谷川玉純（はせがわ ぎょくじゅん、1863年～1920年）も画家として活躍しました。玉純は父に画を学び、明治20年（1887年）には新古美術会で作品が天皇御用品として買い上げられるなど、若くして画壇での地位を確立しました。その後、大津に移り住み、多くの作品を手掛けるとともに、図画教員としても活動しました。 長谷川玉峰の作品は、現在も美術館や古美術店で鑑賞することができます。特に京都や滋賀の地域では、彼の作品やその影響を受けた作品が多く残されています。日本画や四条派に興味がある方は、ぜひ彼の作品を鑑賞してみてください。