樽本樹邨たるもとじゅそん

時代 昭和12年〜
カテゴリー 絵画、書画
作品種別 書 現代作家 漢字作家
プロフィール 師 子鶴・杉雨
愛知県出身。

樽本樹邨(たるもと じゅそん、1937年生まれ)は、日本を代表する現代書道家の一人であり、教育者としても多大な功績を残しています。名古屋市出身で、中京大学名誉教授として長年にわたり後進の育成に尽力してきました。また、日展名誉会員や読売書法会常任総務、全日本書道連盟顧問など、書道界の要職を歴任しています。

書道家としての歩み
樽本氏は、青山杉雨に師事し、伝統的な書法を基盤としつつも、独自の表現を追求してきました。25歳で日展に初入選し、その後も数々の展覧会で評価を受け、2008年には日展文部科学大臣賞、2009年には日本芸術院賞を受賞しています。

作風と作品
彼の作品は、古典に根ざしながらも現代的な感性を取り入れたもので、中国六朝時代の龍門造像記の筆法を参考にするなど、歴史的な書法への深い理解と敬意が感じられます。また、陶淵明の詩などを題材にした作品も多く、詩文と書の融合を図っています。

教育者としての貢献
中京大学では、文学部教授として書道教育に携わり、多くの学生に書の魅力を伝えてきました。また、全国各地での講演や指導を通じて、書道の普及と発展に寄与しています。彼の教え子たちは、現在も各地で活躍しており、その影響力の大きさがうかがえます。

その他の活動
樽本氏は、コメダ珈琲店の看板文字を手がけるなど、書の美を日常の中に取り入れる活動も行っています。また、現代書道二十人展などの展覧会にも積極的に参加し、書道界の発展に貢献しています。

樽本樹邨氏は、伝統と革新を融合させた書道家として、また教育者として、日本の書道界に多大な影響を与え続けています。その作品や活動を通じて、書の魅力と可能性を広く伝えている人物です。