杭迫柏樹くいせこはくじゅ

時代	昭和９年〜
標準発表価格	1,300,000 円
カテゴリー	絵画、書画
作品種別	書　現代作家　漢字作家
プロフィール	師　三島 静岡県出身。 杭迫柏樹（くいせこ はくじゅ、1934年6月28日生まれ）は、日本の書道界を代表する書家の一人であり、京都を拠点に活動しています。王羲之の書法を基礎としつつ、宋代の尺牘や空海の灌頂記などの古典を研鑽し、独自の世界を展開しています。その書風は、朴訥でありながらも鋭い線を特徴とし、墨痕と余白の対比に気韻が感じられます。 略歴と経歴 1934年：静岡県周智郡森町に生まれる。 1953年：森高校（現：遠江総合高校）卒業後、京都学芸大学（現：京都教育大学）美術科書道専攻に入学。 1957年：大学卒業後、京都に定住。 1962年：書家・村上三島に師事し、同年日展初入選。 1975年：日本書芸院大賞受賞。 1980年：京展賞受賞。 1983年・1988年：日展特選受賞。 2002年：「酒国長春有り」で日展会員賞受賞。 2005年：「一葉」で日展内閣総理大臣賞受賞。 2008年：「送茶」で日本芸術院賞受賞。 2010年：京都府文化賞功労賞受賞。 2012年：京都市文化功労者顕彰。 2013年：京都新聞大賞（文化学術部門）受賞。 2021年：京都府文化賞特別功労賞受賞、旭日小綬章受章。 2022年：静岡県森町名誉町民に選定。 2024年：卒寿記念「杭迫柏樹展」を京都文化博物館にて開催。 書風と思想 杭迫氏の書風は、古典に根ざしながらも現代的な感性を取り入れた独自の表現が特徴です。彼は「打てば快音を発し、切れば水のしたたる書」を理想とし、線の質感や筆触感にこだわりを持っています。また、「書は人なり」という考えのもと、書を通じて書き手の人格や精神性が表れることを重視しています。 主な作品と展覧会 代表作： 「酒国長春有り」 「一葉」 「送茶」 主な展覧会： 1974年：「杭迫柏樹展」（京都府宇治市 宇治市民会館） 1997年：書業45周年記念「杭迫柏樹展」（京都市 京都市勧業館） 2016年：「書 杭迫柏樹の世界展」（京都市 京都文化博物館） 2024年：卒寿記念「杭迫柏樹展」（京都市 京都文化博物館） 揮毫と社会貢献 杭迫氏は、全国各地の公共施設や神社仏閣において、多くの揮毫を行っています。例えば、京都市の上賀茂神社「渉渓園由来」や、静岡県森町の「森町町民憲章」などがあります。また、東日本大震災の慰霊碑の碑文も手がけるなど、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。 杭迫柏樹氏は、書道の伝統を守りつつ、現代における書の可能性を追求し続ける書家です。その作品や活動を通じて、多くの人々に書の魅力を伝えています。今後の展覧会や出版物にも注目が集まります。