新井光風あらいこうふう
時代 | 昭和12年〜 |
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カテゴリー | 絵画、書画 |
作品種別 | 書 現代作家 漢字作家 |
プロフィール | 東京都出身。 新井光風(あらい こうふう、1937年生まれ)は、日本の書道界を代表する書家の一人であり、特に古代文字(篆書・隷書)を現代に蘇らせる独自の表現で高い評価を受けています。日展理事、読売書法会常任総務、大東文化大学名誉教授などを歴任し、書道教育や文化振興にも尽力してきました。 経歴と受賞歴 1937年:東京都渋谷区に生まれる。 1954年頃:昭和の三筆の一人・西川寧に師事。 1966年:改組日展で初入選。 1972年:謙慎書道展で西川春洞先生記念賞、第4回改組日展で特選を受賞。 1995年:大東文化大学教授に就任。 2000年:大東文化大学書道研究所所長、読売書法会常任理事に就任。 2001年:全日本書道連盟副理事長に就任。 2004年:作品「明且鮮」で芸術院恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。 2020年:旭日小綬章を受章。 作風と思想 新井氏の書は、殷周時代の金文や秦漢時代の篆書・隷書などの古代文字を素材とし、現代の感性を吹き込んだ独自の表現が特徴です。彼は「書は生命の断面を紙に定着させる行為」と捉え、一本一本の線に命を込めることを重視しています。また、臨書(古典の書写)を「空気を吸うこと」、創作を「空気を吐くこと」に例え、古典の学習と創作のバランスを大切にしています。 主な作品と展覧会 「明且鮮」:2003年の日展出品作で、2004年に芸術院恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。 「老子語」:2013年の個展で発表された作品で、老子の語句を篆書で表現。 「協心」:金文を用いた作品で、古代文字に現代の心と気を吹き込んだ作品。 これらの作品は、成田山書道美術館などで展示され、多くの書道愛好家に影響を与えています。 教育と文化活動 新井氏は、大東文化大学で書道教育に携わり、多くの後進を育成しました。また、全国戦没者追悼式や東日本大震災追悼式の標柱の揮毫など、公共の場でも書の力を発揮しています。さらに、書道のユネスコ無形文化遺産登録に向けた活動にも積極的に参加し、書道文化の振興に努めています。 新井光風氏の書は、古代文字の美しさと現代の感性が融合した独自の世界を築いており、書道界において重要な存在です。彼の作品や思想に触れることで、書の奥深さと魅力を再発見できるでしょう。 |