円山應立まるやまおうりゅう
時代 | 明治時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 円山應立(まるやま おうりゅう、1817年–1875年)は、江戸後期から明治初期にかけて活躍した日本画家で、円山派の四世を継承した重要な人物です。京都に生まれ、友禅工であった寺井久次郎の子として育ちました。後に円山応震(円山応挙の孫)の養子となり、円山家の画統を受け継ぎました。 経歴と画号 幼名:勝治郎 改名:多都雄、後に主水(もんど)と称す 字(あざな):子道(しどう) 号:方壺(ほうこ)、米斎(べいさい)など 應立は、安政年間(1854年–1860年)の内裏造営に際して、障壁画の制作に参加するなど、宮廷画家としても活動しました。人物画や花鳥画を得意とし、円山派の伝統を継承しながらも、独自の表現を追求しました。 作風と代表作 應立の作品は、写実的な描写と柔らかな筆致が特徴で、自然の美しさを繊細に表現しています。特に、季節の移ろいや風景を題材とした山水画や、動植物を描いた花鳥画に優れた作品が多く見られます。 代表的な作品には以下のようなものがあります: 「春・冬山水図」:季節の風景を描いた双幅の掛軸で、春の芽吹きと冬の静寂を対比的に表現しています。 「梅に鶯・白木蓮に鴨図」:梅の枝にとまる鶯や、白木蓮の花の下に佇む鴨を描いた作品で、自然の情景を細やかに描写しています。 「大文字山図」:京都の五山送り火で知られる大文字山を題材とした作品で、山の風景を簡潔ながらも力強く表現しています。 これらの作品は、現在も美術市場で高く評価されており、オークションなどで取引されています。 現在の評価と市場動向 円山應立の作品は、円山派の伝統を受け継ぐ貴重なものとして、美術愛好家やコレクターの間で高い評価を受けています。特に、保存状態の良い掛軸や、署名・印章が明確な作品は、オークションや美術商を通じて高値で取引されることがあります。また、彼の作品は、京都をはじめとする日本各地の美術館や寺院などにも所蔵されており、展覧会などで公開されることもあります。 円山應立は、円山派の画風を継承しつつ、独自の表現を追求した画家として、日本美術史において重要な位置を占めています。彼の作品を通じて、江戸から明治にかけての日本画の変遷や、当時の自然観を垣間見ることができます。興味がありましたら、彼の作品を実際に鑑賞してみることをおすすめします。 |