古谷蒼韻ふるたにそういん
時代 | 大正13年〜 |
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カテゴリー | 絵画、書画 |
作品種別 | 書 現代作家 漢字作家 |
プロフィール | 師 村上三島 京都府出身。 古谷蒼韻(ふるたに そういん、1924年3月3日 – 2018年8月25日)は、日本の書家であり、日本芸術院会員、文化功労者として知られています。本名は古谷繁(ふるたに しげる)です。 生涯と経歴 古谷蒼韻は京都府巨椋池西の北川顔に生まれました。京都府立師範学校在学中に中野越南と出会い、書を志すようになりました 。戦後は小学校教員として勤務しながら書の研鑽を積み、1951年に水明書道展に出品、1953年には第5回毎日書道展で秀作となりました。1954年には第10回日展に初入選し、以後も日展や読売書法展などで活躍しました 。 2006年には日本芸術院会員に、2010年には文化功労者に選ばれました。また、読売書法会最高顧問、日本書芸院最高顧問としても指導的役割を果たしました 。 作風と理念 古谷蒼韻は、古典を重視しながらも独自の書風を確立しました。彼は「君には君にしか書けない書がある。それは他人から何を言われても、誰にも書けない君の書だ」という言葉を残しており、自身の個性を大切にする姿勢が伺えます 。 彼の作品は、王羲之の書を拓本から学ぶなど、古典の研究に基づいていますが、形に拘泥せず、筆遣いや線の動きを重視する「探りの勉強」を実践していました 。また、良寛や本阿弥光悦など和様にも関心を持ち、和漢の原跡を学びながら独自の書風を打ち立てました 。 代表作と展覧会 代表作には、1968年の日展出品作「萬葉歌・山部赤人」や、2006年の第50回記念現代書道二十人展に出品された杜甫の「飮中八僊歌」などがあります 。また、2012年には米寿記念展が京都・東京・名古屋・福岡を巡回し、彼の書芸術の軌跡を紹介しました 。 彼の作品やコレクションは、成田山書道美術館に寄贈され、展覧会「古谷蒼韻とそのコレクション」として展示されました 。また、2024年には生誕100年を記念した展覧会も開催されました 。 影響と評価 古谷蒼韻は、書道界において高い評価を受け、現代書壇の最高峰として指導的役割を果たしました。彼の書は、線の練度が高く、書は線の芸術であることを如実に体現していると評されています 。 また、彼は書の魅力を広く伝えることにも尽力し、展覧会の企画や指導を通じて、多くの後進を育てました。彼の書に対する真摯な姿勢と探究心は、多くの人々に感銘を与え続けています。 古谷蒼韻の作品やその魅力についてさらに知りたい場合は、成田山書道美術館のウェブサイトや、彼の作品集などをご覧になることをおすすめします。 |