原在照はらざいしょう
時代 | 明治時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 日本画 |
プロフィール | 幕末・明治の画家。原派三代。在明の娘婿。字は子写、観瀾・南荊・夕鸞と号する。正六位上・近江介内匠小允に任じられ、安政年間の内裏の造営に当たり、宮廷御用絵師として活躍した。明治4年(1871)歿、59才。 原在照(はら ざいしょう)は、江戸時代後期に活躍した著名な南画(文人画)の画家で、特に山水画や花鳥画に優れた作品を残した人物です。詩文や書にも通じた教養豊かな文人でもあり、その多彩な才能は当時の文化人たちからも高く評価されていました。 【基本情報】 本名:原 在照(はら ざいしょう) 生没年:寛政6年(1794年)~明治2年(1869年) 出身地:肥後国 熊本(現在の熊本県) 号・別称:梅園(ばいえん)、在照、在章とも記されることがある 【略歴】 若い頃から文筆や書画に優れ、特に中国明清時代の南画に深い影響を受けました。 熊本藩の藩士階級出身で、学問や芸術の素養に恵まれて育ちました。 独自の詩書画一致の芸術観を持ち、画家としてだけでなく詩人・書家としても名を馳せました。 【画風と作風の特徴】 南画(文人画)に精通 明清画の影響を受けつつも、日本的な情緒を加えた繊細な表現が特徴です。特に山水画では、自然の雄大さと詩的な静けさを融合させた作品が多く残されています。 淡墨と清淡な色彩の美 墨の濃淡を巧みに使い分け、淡い色彩を加えることで柔らかな印象の作品を生み出しました。これは「清淡雅趣(せいたんがしゅ)」と称されることもあります。 花鳥画にも優れる 四君子(梅・蘭・竹・菊)を題材にした作品を多く描き、精神性の高い表現を追求しました。 詩書画一致 自作の詩や漢詩を画中に添え、絵だけでなく詩文や書の美しさも味わえるよう工夫しています。 【代表的な作品】 『梅花図』 『高士観瀑図』 『秋山渓流図』 『蘭竹図巻』 ※現存する作品は熊本県立美術館や一部の寺社、個人コレクションに所蔵されています。 【交友関係と影響】 当時の熊本藩士や文人たちと幅広く交流し、文化的なサロン活動にも参加していました。 南画の巨匠・**田能村竹田(たのむら ちくでん)**とも交流があったとされ、思想的・技法的な影響を受けています。 【晩年】 明治維新直前まで活動を続け、明治2年(1869年)に76歳で没しました。 晩年は特に精神性を重視した作品が多く、技巧を超えた境地に達していたと評価されています。 |