菱川師喜ひしかわもろよし

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 菱川 師喜 (ひしかわ もろよし、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。

**菱川 師喜(ひしかわ もろよし)**は、江戸時代前期の浮世絵師であり、浮世絵の創始者とされる菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)の門人あるいは一族と考えられている人物です。師宣の後継者の一人として活動し、初期浮世絵の発展に寄与しました。

【基本情報】
名前:菱川 師喜(ひしかわ もろよし)
活動時期:江戸時代前期(17世紀後半~18世紀初頭)
流派:菱川派(浮世絵の最初期に位置する)
師匠:菱川師宣(とされるが、明確な記録は少ない)
【概要と位置づけ】
菱川師喜は、浮世絵の草創期に活躍した絵師であり、師宣のスタイルを受け継ぎながら、初期の浮世絵における技術や題材の確立に貢献した人物とされます。特に**版本挿絵(絵入り本)**の分野で活躍しており、絵草紙(物語絵巻)や絵入り読本などに作画を提供しました。

【作風の特徴】
師宣の様式を踏襲し、太くはっきりした線描と構図を用いる
女性の姿や市井の風俗を主題とすることが多い
特に素朴な人体表現や衣服のパターン描写が師宣のスタイルに類似
豪華な多色刷り錦絵よりも、**墨一色の墨摺絵(すみずりえ)や丹絵(たんえ)**の作品が多い
【代表的なジャンルと作品】
現存作品は多くありませんが、以下のようなジャンルに分類されます。

絵入り草紙(恋愛物語や江戸風俗)
挿絵(歌舞伎本や黄表紙などの挿絵)
宗教画や仏教関連の図像にも関与していた可能性
※現在、菱川師喜の作品とされるものの中には、真贋が定かでないものや、他の「菱川一門」の作と混同されている例もあります。

【評価と影響】
師宣の直弟子あるいは近親者として、菱川派の伝統を次代に伝える役割を果たした
江戸初期の浮世絵史を語るうえで欠かせない存在
一部の研究者の間では、「師喜」の存在を確認する作品が少ないため、師宣との混同や筆名説などの可能性も指摘されている
【補足:菱川一門について】
江戸時代初期の「菱川」姓の絵師には以下のような人物がいます。

菱川師宣(浮世絵の始祖、代表作『見返り美人図』)
菱川師平(しへい)
菱川師房(しぼう)
菱川師信(ししん)
師喜もこうした「菱川一門」の一人として位置づけられています。