柳川重信やながわしげのぶ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 柳川 重信(やながわ しげのぶ、天明7年〈1787年〉 - 天保3年閏11月28日〈1833年1月18日〉)とは、江戸時代後期の浮世絵師。

**柳川重信(やながわ しげのぶ)**は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、柳川派に属する絵師の一人です。柳川重信という名前は複数の浮世絵師が名乗っており(初代・二代が確認される)、主に美人画、武者絵、役者絵などを手がけました。

以下に、代表的な「初代柳川重信」について詳しくご紹介し、必要に応じて系譜や作風についても解説します。

【基本情報(初代 柳川重信)】

項目 内容
名前 柳川重信(やながわ しげのぶ)
生没年 不詳(活動:文政〜天保期=1820年代〜1830年代)
所属 柳川派(柳川重政の門下)
活動地 江戸
分野 浮世絵(錦絵)、役者絵、武者絵、美人画、合巻挿絵など
【師匠と画系】

師匠は柳川重政(やながわ しげまさ)
柳川派の祖。武者絵・役者絵の名手で、葛飾北斎のライバル的存在。
重信は重政の弟子または養子弟子とされる。
「柳川」の姓を継ぐことで、画系としては柳川派の第二世代にあたります。
【作風とジャンル】

◆ 武者絵
鎧武者の勇壮な姿や歴史的合戦場面を描いたもので、柳川派の伝統に則る。
勇ましい構図と細かい衣装描写、誇張された動きや顔の表情が特徴。
◆ 美人画
華やかで気品のある町娘や遊女を描写。
上品で柔らかい描線が特徴で、歌川国貞の作風にも影響を受けたとされる。
◆ 役者絵
歌舞伎役者を題材にした錦絵を制作。
「見得を切る」ポーズや劇中の緊迫感ある構図が見られる。
◆ 合巻・絵本の挿絵
黄表紙や合巻といった読物の挿絵も手がけ、挿絵絵師としても活動。
【署名例】

「柳川重信画」
「柳川画」
「重信筆」など
版元や画題によって署名の書き方に違いが見られます。

【現存作品と評価】

重信の作品は、太田記念美術館、大英博物館、ボストン美術館などに所蔵されており、一部が展示・公開されることもあります。
作風は柳川重政の作風を受け継ぎつつ、やや洗練され、構図にも工夫が見られます。
評価としては「技巧に優れた中堅絵師」という位置づけで、主流派(歌川派)と比べて派手さには欠けますが、確実な筆力が認められます。
【二代 柳川重信について】

明治初期まで活動したとされる絵師で、同じく柳川派に属する。
初代との作風の区別は難しいが、より写実的な要素や文明開化風俗が描かれることがある。
一部の作品では「二代」と明記されていないため、混同されることも多い。