長谷川永春はせがわえいしゅん

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール ?-? 江戸時代中期の浮世絵師。
宝永-宝暦(1704-64)のころ肉筆の美人風俗画をかいた。作品に「蔦の葉模様衣裳の立美人」などがある。別号に梅翁軒,梅峯軒。

**長谷川永春(はせがわ えいしゅん)**は、江戸時代の画家で、長谷川派の系譜に連なる人物とされますが、現在のところ詳しい伝記や作品はほとんど確認されていないため、実像が不明瞭な絵師です。

ただし、「永春」の号を持つ画家は数名存在しており、混同されることも多く、以下では考えられる複数の可能性を含めて解説します。

1. 長谷川派との関係の可能性

**長谷川派(はせがわは)**は、桃山時代の絵師・**長谷川等伯(はせがわ とうはく)**を祖とする画派で、江戸時代を通じて障壁画・仏画などを中心に活動しました。

永春という号は、長谷川派の後裔または周辺の絵師が名乗っていた可能性があります。
特に京都を拠点とした町絵師や寺院に出入りした仏画師の中に、永春という号が見られます。
2. 「永春」の名を持つ他の可能性ある画家

「永春」の号を持つ画家は以下のような記録が断片的に残っています:

◆ 仏画師・町絵師としての永春
江戸後期、京都や奈良で仏画や花鳥画を描いた人物がいるとされる(署名「永春筆」)。
襖絵や寺院の掛け軸などに、永春の署名を持つ絵が現存することもある。
◆ 掛け軸・屏風の絵師
書画一体の作品や墨絵、山水画を描いた「永春筆」の落款がいくつかの古美術商・古筆資料に出てくることがある。
これらはいずれも「長谷川永春」かどうかは確定できませんが、関連性の可能性が残ります。

3. 落款や署名の例(確認されているもの)

「長谷川永春筆」
「永春筆」
「永春画」
朱文の落款印を併せ持つ例あり
これらの署名は、江戸後期~明治初期の書画に見られることがありますが、真贋の判別や作家本人の特定は難しいのが実情です。

4. 現存作品と伝来の例(未確定)

京都の寺院や旧家に伝わる仏画や襖絵に、永春銘のものが伝来
古書画市場・茶道具の掛物(掛け軸)などで「永春筆」とされる墨画・花鳥画が出品されることがある
5. 美術史的評価と位置づけ

長谷川永春に関する体系的研究は今のところ見当たりません
美術史では、長谷川派の傍流または町絵師レベルの画家として紹介される程度
一般的な浮世絵や狩野派のような中央画壇とはやや距離のある存在