山崎龍女やまざきりゅうじょ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 山崎 龍女(やまざき りゅうじょ、生没年不詳)とは、江戸時代初中期の女流浮世絵師。

山崎龍女(やまざき りゅうじょ)は、江戸時代中期に活躍した女性の浮世絵師で、特に肉筆美人画で知られています。彼女の作品は、当時の庶民文化や風俗を描写し、現代においてもその価値が再評価されています。


生涯と背景
山崎龍女の本名は「お龍」といい、江戸・下谷長者町(現在の東京都台東区上野三丁目付近)に住む御旗同心・山崎文左衛門の娘として生まれました。後に芝増上寺門前に居住していたとされています。生没年は不詳ですが、彼女の作品に描かれた役者の紋や活動時期から、正徳期(1711年〜1716年)生まれと推定されています。


画風と代表作
山崎龍女は、幼少期から画才に恵まれ、10代で既に一人前の美人画を描いていたと伝えられています。彼女の画風には、懐月堂派の影響が見られ、玉子形の顔に切れ長の目を持つ美人像が特徴的です。また、彼女の作品には「山崎氏女龍十四歳筆」などと年齢が記されているものが多く、12歳から33歳までの作品が確認されています。

代表作には以下のようなものがあります:

『傘持美人図』:14歳の時の作品で、MOA美術館所蔵。
『二美人駒引き図』:東京国立博物館所蔵。
『遊女と客図』:ニューオータニ美術館所蔵。
『蚊帳美人図』:大英博物館所蔵。
『縁台美人喫煙図』:たばこと塩の博物館所蔵。

これらの作品は、江戸時代の庶民文化や風俗を知る上で貴重な資料となっています。

評価と影響
山崎龍女は、当時「おりう絵」と呼ばれ、盛名を得ていたことが記録されています。享保19年(1734年)に刊行された『本朝世事談綺』(菊岡沾涼著)には、彼女が6、7歳のころから浮世絵に耽り、習わずして得た才能を持っていたと記されています。

また、彼女の作品は、当時の社会風刺や人間の弱点をユーモラスに描き出しており、滑稽本の代表的作家として高く評価されています。彼女の多才な活動は、江戸時代の文化や社会の多様性を象徴する存在として、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

山崎龍女の作品は、現在も美術館や博物館で鑑賞することができます。彼女の描いた美人画は、江戸時代の美意識や風俗を知る上で貴重な資料であり、現代においてもその価値が再評価されています。興味のある方は、ぜひ彼女の作品を実際にご覧になってみてください。