古山師重ふるやまもろしげ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 古山 師重(ふるやま もろしげ、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。

古山師重(生没年不詳)

**古山師重(ふるやま もろしげ)**は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した浮世絵師です。
ただし、現存する資料が非常に少なく、確定的な伝記や詳しい生涯についてはほとんどわかっていません。

概要・系譜

古山師重は、浮世絵草創期から中興期にかけての絵師であり、
**菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)**の影響下にある画風を持っていました。
師重の「師」の字から考えると、
師宣やその流れを汲む絵師たち(例えば菱川派)との関係性が想定されることが多いですが、
直接の師弟関係は不明です。
活動時期は、だいたい**18世紀前半(元文〜寛延年間:1736〜1751年頃)**と推定されます。
作風と特徴

肉筆画が中心
→ 現存する作品は、ほとんどが肉筆浮世絵(手書きの一点もの)。版画としての浮世絵はほとんど見られません。
題材は主に美人画
→ 当時の女性を題材に、やや写実性のある温かみのある線で描写する傾向があります。
構図は比較的シンプル
→ 初期浮世絵の影響を色濃く残し、派手な背景や豪華な彩色よりも、人物の立ち姿や表情に重きを置いた作品が多いです。
落款(署名)
→ 作品には「師重筆」と落款されているものが確認されています。
現存する作品例

古山師重の作品は非常に数が少ないですが、知られているものとしては:

美人立像図
遊女図
若衆図(若い男性を描いたもの)
などがあり、江戸時代中期の庶民文化を反映するものとされています。

現在では、たまに古美術オークションや特別展覧会で紹介されることがありますが、常設展示されているケースはまれです。

歴史的位置づけ

古山師重は、初期〜中期浮世絵の橋渡し的存在といえます。
つまり、

菱川師宣や奥村政信ら「初期の浮世絵師」が確立したスタイルを受け継ぎつつ、
それを次第に洗練させ、後続の18世紀後半の絵師たち(鈴木春信や礒田湖龍斎など)へとつなぐ過渡期の絵師 という位置づけです。
ただし、人気浮世絵師たちに比べると歴史的な知名度は低く、専門研究者やコレクターの間で主に評価されています。

まとめ

古山師重は18世紀前半に活躍した、肉筆美人画を中心とする浮世絵師。
菱川師宣系の影響を受けつつ、独自の温かみある人物表現を追求。
現存作品は非常に少なく、詳細な生涯や活動履歴は不明。
浮世絵草創期と中興期をつなぐ、過渡的な存在。