鳥居清重とりいきよしげ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 鳥居 清重(とりい きよしげ、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。

鳥居清重(生没年未詳)

鳥居清重は、江戸時代中期に活躍した浮世絵師・芝居絵師であり、
特に鳥居派の一員として重要な役割を果たした人物です。

【鳥居派とは?】
まず前提として、「鳥居派」というのは、

江戸の芝居町(主に中村座、市村座など)に密着し、
歌舞伎役者の看板絵や番付(芝居のプログラム)、肉筆の役者絵などを専門に描いた絵師集団 です。
鳥居派の祖は**鳥居清信(とりい きよのぶ)**で、清重はその流れをくむ後続世代にあたります。

鳥居清重の概要

活動時期
18世紀前半〜中頃(享保・延享・寛延年間〔1716〜1751年頃〕が中心と推定されます)
作風・特徴
**役者絵(歌舞伎絵)**に特化。
非常に単純化・図式化された輪郭線(太くはっきりした墨線)が特徴。
色数は限られ、彩色は比較的抑えめですが、デザイン性の高さが際立ちます。
清信の画風を受け継ぎつつ、よりスタイリッシュで洗練された構成力を見せます。
ジャンル
看板絵(芝居小屋の入口に掲げる大判の絵)
番付の挿絵
肉筆画の役者絵
初期の「一枚絵」(浮世絵版画)
師匠と弟子
師匠はおそらく鳥居清信。
弟子に関しては詳しい記録が少ないですが、後続の鳥居派絵師(鳥居清峰、鳥居清経ら)への影響は大きいと考えられています。
代表作例
鳥居清重の署名入り作品は少ないですが、
中村座・市村座関連の芝居番付
役者大首絵(役者の上半身を大きく描いたもの) に彼の筆が認められます。
評価・歴史的位置づけ

鳥居清重は、初代清信の直後を担い、
鳥居派の様式を確立・定着させた重要な画家です。

特に

看板絵特有のデフォルメされた力強い役者描写
舞台上の演技の迫力を伝える大胆な構図 など、後の鳥居清長や鳥居清経にも引き継がれるスタイルを築きました。
鳥居派は「浮世絵」というよりも「芝居絵」の側面が強く、
江戸庶民文化(特に歌舞伎興行)と密接に結びついていたため、
浮世絵史の中でもやや異色の存在とされますが、
その中心人物の一人が清重です。

まとめ

鳥居清重は、江戸中期に活躍した鳥居派の芝居絵師。
太い線と単純化されたスタイルで役者絵を描いた。
鳥居派の様式を清信から引き継ぎ、発展させた存在。
看板絵、番付絵、初期浮世絵版画などで功績を残した。
歌舞伎と江戸庶民文化の発展に大きく寄与した。