曻亭北寿しょうていほくじゅ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 昇亭 北寿(しょうてい ほくじゅ、宝暦13年〈1763年〉?‐文政7年〈1824年〉以降)とは、江戸時代後期の浮世絵師。

昇亭北寿(しょうてい ほくじゅ、1763年頃? – 没年不詳)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、葛飾北斎の門人として知られています。​特に風景画において、北斎の西洋風表現を受け継ぎつつ、独自の作風を展開しました。​


来歴と活動
昇亭北寿は、姓は不明で、名は一政(いっせい)と伝えられています。​両国薬研堀(現在の東京都墨田区)に住んでいたとされ、寛政末期から文政年間(18世紀末から19世紀初頭)にかけて活動しました。​彼の作品は、風景画を中心に、風俗画や狂歌本の挿絵、摺物、肉筆画など多岐にわたります。​『武江年表』の享和年間の記事には「北寿浮絵上手」と記されており、当時から高い評価を受けていたことが伺えます。 ​

作風と特徴
昇亭北寿の作品は、北斎の西洋風表現を受け継ぎつつ、独自の表現を追求しています。​特に、空を広く描き、雲の形状を作品ごとに変化させるなど、独創的な構図が特徴です。​また、山や崖などの地形をシンプルに描写する手法は、後のキュビズムを思わせる先駆的な表現と評価されています。 ​


代表作と所蔵先
昇亭北寿の代表作には以下のようなものがあります:​

『上総九十九里地引網大漁猟正写之図』:​千葉県の九十九里浜での地引網漁を描いた作品で、動きのある構図が特徴です。​

『東都芝愛宕山遠望品川海』:​愛宕山から品川の海を望む風景を描いた作品で、遠近法を駆使した構図が見どころです。​

これらの作品は、メトロポリタン美術館やボストン美術館など、国内外の美術館に所蔵されています。 ​


評価と影響
昇亭北寿は、北斎の弟子の中でも特に独創的な作風を持つ絵師として評価されています。​2016年には、千葉県東金市の城西国際大学水田美術館で「北斎の弟子 昇亭北寿 洋風風景画の展開」と題した展覧会が開催され、彼の作品が再評価されました。 ​


昇亭北寿は、江戸時代後期において、西洋の技法を取り入れた独自の風景画を描いた浮世絵師です。​彼の作品は、現在でも多くの美術館で鑑賞することができ、その芸術性の高さが評価されています。​