歌川国政うたがわくにまさ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 初代 歌川 国政(しょだい うたがわ くにまさ、安永2年〈1773年〉頃 - 文化7年11月30日〈1810年12月26日〉)は、江戸時代後期の浮世絵師である。

歌川国政(うたがわ くにまさ)とは

**歌川国政(生年不詳 – 文政5年〈1822年〉頃没)**は、江戸時代後期の浮世絵師です。
歌川豊国(初代)の門人のひとりであり、特に役者絵を中心に活躍しました。

生涯と来歴

生年:不詳(18世紀後半生まれと推定)
没年:文政5年(1822年)頃
師匠:歌川豊国(初代)
画号:歌川国政、五明舎国政
所属:歌川派
活動時期:寛政末期(1790年代後半)〜文政年間(1818–1829年)
国政は、師・豊国のスタイルを忠実に受け継ぎながら、独自の力強い筆致を加え、
江戸末期の浮世絵界において一定の評価を得ました。

作風と特徴

1. 役者絵中心
主な制作ジャンルは役者絵。
当時人気の歌舞伎役者たちを、臨場感あふれるポーズや表情で描きました。
特に、舞台上での見得(みえ)(役者が決めポーズを取る)や、激しい動きを捉えた絵が多いです。
2. 線の力強さ
線はやや太く、躍動感があり、エネルギッシュな表現が特徴。
豊国よりも力強く、時に荒削りな印象を与える絵もありますが、そこに「勢い」を感じさせます。
3. 紅摺絵・錦絵
活動初期は単色刷りや紅摺絵(赤を基調とする版画)も制作していましたが、
主に多色刷りの錦絵作品で知られています。
主な作品

「市川団十郎の鎌倉権五郎」
「尾上菊五郎の忠信利平」
「坂東三津五郎の熊谷直実」
「三代目大谷広次の藤原時平」
いずれも歌舞伎の演目を題材としたもので、役者の姿勢、衣裳、背景なども丁寧に描かれています。

これらの作品は、現代ではボストン美術館、大英博物館、東京国立博物館などに収蔵されています。

評価と影響

歌川国政は、師である豊国に比べるとやや地味な存在ではありますが、
当時の浮世絵界では堅実な職人型の絵師として尊敬されていました。
国政のスタイルは、後の**歌川国貞(のちの三代歌川豊国)**など若手絵師にも一定の影響を与えました。
特に、歌舞伎の舞台のダイナミズムを絵に定着させた功績は大きく、役者絵発展の一翼を担ったと評価されています。
歌川国政まとめ


項目 内容
活動時期 寛政末期〜文政初期(1790年代後半〜1820年代)
得意分野 役者絵(錦絵中心)
画風 力強く躍動感ある線描、エネルギッシュな役者表現
師匠 初代歌川豊国
評価 江戸後期の堅実な役者絵師、後進にも影響