鳥居清満とりいきよみつ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 初代 鳥居清満(しょだい とりい きよみつ、 享保20年〈1735年〉 - 天明5年4月3日〈1785年5月11日〉)とは、江戸時代初期に活躍した鳥居派の浮世絵師。鳥居派三代目当主。

鳥居清満(とりい きよみつ)とは

**鳥居清満(生年不詳 – 1785年頃没)**は、江戸時代中期に活躍した浮世絵師で、
鳥居派に属する重要な絵師の一人です。

特に役者絵(歌舞伎役者を描く絵)を得意とし、鳥居派の伝統を受け継ぎつつ、当時の浮世絵界で確かな存在感を示しました。

生涯と来歴

生年:不詳(推定:18世紀前半)
没年:天明5年(1785年)頃
師匠:鳥居清倍(とりい きよます、二代目鳥居派当主)
所属:鳥居派
活動地:江戸(現在の東京)
清満は、鳥居清倍の門人または後継者と考えられており、
清倍の作風を受け継ぎながら、自身のスタイルを確立していきました。

作風と特徴

1. 役者絵が中心
主に歌舞伎役者を描いた浮世絵(特に番付絵・看板絵・役者絵)を制作しました。
鳥居派の伝統を守り、舞台姿を大きく、堂々と、力強い線で表現しました。
2. 画風
線はやや硬めで、人物の顔立ちは丸みを帯びて、親しみやすい表情。
彩色は比較的シンプルで、衣裳や髪型に細かい描写を施し、役者個々の特徴をうまく表現しました。
当時流行していた紅摺絵(べにずりえ)や、やがて錦絵へと技法が発展する端境期に活躍しています。
3. 看板絵・番付絵も手掛ける
歌舞伎劇場の前に掲げる巨大な看板絵、また公演案内の番付なども多く制作。
これらは、江戸庶民にとって欠かせない情報源であり、清満の絵は街中でも目にされていました。
主な作品

役者絵「市川団十郎図」
役者絵「瀬川菊之丞図」
**「歌舞伎番付絵」**各種
「見立忠臣蔵図」(芝居の人気演目を題材にした作品)
これらの作品は、現在、東京国立博物館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館などに所蔵されています。

鳥居清満の役割と評価

鳥居清満は、清倍に続く鳥居派第三世代に位置づけられます。
鳥居派の伝統的な役者絵スタイルを守りながら、より洗練された顔立ちや姿勢描写を取り入れたことで知られます。
彼の後には鳥居清長が登場し、さらに大きな発展を遂げますが、
清満の時代は、まさに鳥居派が「歌舞伎役者絵の標準スタイル」を築き上げた重要な時期でした。
鳥居清満まとめ


項目 内容
活動時期 18世紀中頃(主に宝暦・明和・安永年間)
得意分野 役者絵(大首絵・舞台絵・番付絵)
作風 力強く明快な線、親しみやすい役者像
師匠・系譜 鳥居清倍の後継、鳥居派第三世代
代表作 「市川団十郎図」「瀬川菊之丞図」ほか
評価 伝統を守りつつ洗練された役者絵を発展させた