宮川長亀みやがわちょうき
時代 | 江戸時代 |
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カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 浮世絵 |
プロフィール | 宮川 長亀(みやがわ ちょうき、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。 宮川長亀(みやがわ ちょうき、生没年不詳)は、江戸時代中期に活躍した浮世絵師で、特に肉筆美人画や遊里風俗画を得意としました。彼は宮川長春の門人であり、画号に「長」の字を用いていることから、長春の実子または近親者である可能性が指摘されています。 来歴と人物像 活動時期:享保(1716–1736年)から寛保(1741–1744年)頃。 師匠:宮川長春(1682–1752年) 画号:「長亀」 活動地域:主に江戸 長亀は、師である長春の画風を踏襲しつつ、独自の繊細な彩色と構図で作品を制作しました。享保から寛延にかけて、長春と同様に肉筆画のみを描いています。今日残されている作品は遊里風俗画が大半を占め、長春に比べるとやや小ぶりながらも賦彩は丁寧にして細密であると評されています。 作風と特徴 1. 肉筆美人画 長亀の作品は、すべて肉筆画であり、版画作品は確認されていません。遊女や町娘を描いた美人画が中心で、細やかな筆致と上品な色彩が特徴です。特に「吉原格子先の図」など、遊里の情景を描いた作品が多く残されています。 2. 遊里風俗画 吉原の遊女や禿(かむろ)を描いた作品が多く、当時の遊里の風俗や文化を伝える貴重な資料となっています。「吉原格子先の図」は、同じ構図で数点描かれており、人物などの内容を変えて描かれていることから、量産されていたと考えられます。 主な作品と所蔵先 「遊女聞香図」:紙本着色、東京国立博物館所蔵。 「二人の遊女と禿図(三美人図、遊女閑談図)」:紙本着色、東京国立博物館所蔵。 「吉原格子先の図(張見世の図)」:紙本着色、浮世絵太田記念美術館所蔵。 「遊里風俗図」:絹本着色、ボストン美術館所蔵。 「遊女と禿図」:紙本着色、フリーア美術館所蔵。 「見立小督仲国図」:絹本着色、ボストン美術館所蔵。 これらの作品は、国内外の美術館で所蔵されており、江戸時代の遊里文化や美人画の研究において重要な資料となっています。 評価と影響 宮川長亀は、師である宮川長春の画風を受け継ぎつつ、独自の繊細な彩色と構図で作品を制作しました。彼の作品は、江戸時代の遊里文化や美人画の研究において重要な資料となっています。また、彼の描いた「吉原格子先の図」は、師である長春の吉原図巻などをもとにしていることから、菱川師宣、長春、長亀と画題が伝えられたことが窺えます。 まとめ 項目 内容 活動時期 享保(1716–1736年)から寛保(1741–1744年)頃 得意分野 肉筆美人画、遊里風俗画 画風 繊細な筆致、上品な色彩、丁寧な彩色 師匠 宮川長春 代表作 「遊女聞香図」、「吉原格子先の図」、「遊里風俗図」など 所蔵美術館 東京国立博物館、浮世絵太田記念美術館、ボストン美術館、フリーア美術館など 宮川長亀は、江戸時代中期の浮世絵師として、師である宮川長春の画風を受け継ぎつつ、独自の繊細な彩色と構図で作品を制作しました。彼の作品は、江戸時代の遊里文化や美人画の研究において重要な資料となっています。 |