石山師香いしやまもろか

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 江戸中期の公卿。壬生基起の次男。石山家の祖。初名は基信、また師信・基董。従二位権中納言に至る。狩野永納に画を学び一家を成し、書・和歌・彫刻にも秀でた。享保19年(1734)歿、66才。

石山師香(いしやま もろか、1669年〈寛文9年〉5月13日 – 1734年〈享保19年〉10月13日)は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した公卿であり、芸術家としても多才な人物でした。​彼は書、和歌、絵画、彫金など多方面で才能を発揮し、特に狩野派の画家として知られています。​

生涯と家系
石山師香は、藤原氏持明院流の葉川(園)基起の次男として生まれました。​元禄16年(1703年)に従三位に叙され、葉川家(のちの壬生家)から分家して石山家を創設しました。​享保7年(1722年)には参議、享保19年(1734年)には権中納言に任じられ、従二位に昇進しました。 ​

石山家は、明治維新後の華族制度において子爵家に列せられ、明治17年(1884年)には子爵に叙されました。 ​

芸術家としての活動
石山師香は、狩野永納に学び、狩野派の画家としても知られています。​彼の代表作の一つに「源氏物語八景 絵巻」があり、これは『源氏物語』の8つの場面を、中国の「瀟湘八景」の構図を取り入れて描いたものです。​この作品は、絹本に墨、色彩、金箔を用いた手巻きの絵巻物で、現在はメトロポリタン美術館に所蔵されています。 ​

また、彼は書や和歌にも優れ、俳諧や和歌の分野でも活動していました。​彼の作品や書簡は、当時の文化人との交流の証としても貴重な資料となっています。​

作品の特徴と評価
石山師香の作品は、繊細な筆致と豊かな色彩、金箔を用いた装飾性が特徴です。​彼の絵画は、物語性と詩情を兼ね備えたものであり、当時の貴族社会の美意識を反映しています。​また、彼の作品は、江戸時代の絵巻物の中でも高い評価を受けており、現在でも美術館や博物館で鑑賞することができます。​

所蔵美術館と鑑賞情報
石山師香の作品は、以下の美術館で所蔵・展示されています:​

メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク):『源氏物語八景 絵巻』​

これらの美術館では、彼の絵画作品を通じて、江戸時代の貴族文化や美意識を感じ取ることができます。​

石山師香は、公卿としての政治的地位だけでなく、芸術家としても多才な才能を発揮し、江戸時代の文化に大きな影響を与えました。​彼の作品は、現在でも多くの人々に愛され、研究の対象となっています。​