古山師政ふるやまもろまさ

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 浮世絵
プロフィール 古山 師政(ふるやま もろまさ、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。

古山師政(ふるやま もろまさ)

概要

古山師政は、江戸時代中期(18世紀前半)に活躍した浮世絵師です。
活動期はおおむね享保年間(1716~1736年頃)と考えられており、
特に役者絵と風俗画を中心に手がけました。

同時代の浮世絵師である**鳥居清信(とりい きよのぶ)や奥村政信(おくむら まさのぶ)**らと並び、
江戸浮世絵初期の流れを支えた画家の一人とされています。

生涯

生年・没年:不詳
古山師政の出自、生年、没年ははっきりしていません。
活動時期
享保年間を中心に活躍。
おそらく江戸を拠点にしていたと考えられています。
師匠関係
直接的な師弟関係は不明ですが、作風からみて、鳥居派(鳥居清信ら)の影響を受けた可能性が高いです。
また、奥村政信の影響も一部見られます。
作風と特徴

役者絵(芝居絵)の制作
歌舞伎役者を描いた作品を多く残しており、舞台上のダイナミックなポーズや衣装を生き生きと表現しました。
墨摺絵(すみずりえ)・丹絵(たんえ)中心
活動期はまだ多色摺り錦絵(にしきえ)が登場する以前だったため、
墨一色刷り、あるいは簡単な手彩色(赤丹や黄土)を施した絵を中心に制作しています。
表情・動きの表現
師政の描く人物は、誇張を抑えつつ、表情にわずかな感情をにじませたり、
衣装や手足の動きに自然なリズムを感じさせる点が特徴です。
これは後の浮世絵役者絵の「似顔」「写実」への萌芽とも言えます。
小型の単色絵が多い
大判サイズではなく、中判・小判程度の比較的小さな版型の作品が多く見られます。
主な題材

歌舞伎役者の舞台姿
当時の人気役者たち(市川団十郎系統など)を舞台衣装姿で描いた絵が多いです。
風俗画(市中の様子)
町人文化や江戸市中の風俗を軽やかに描いた作品もあります。
現存作品

『市川団十郎の不動明王図』
荒事の役柄である不動明王に扮した市川団十郎を描いた丹絵。
力強さの中にも優雅さが感じられる作品。
『芝居見物図』
芝居小屋での見物客の様子を描いたもの。
町人たちの表情やしぐさに親しみやすさがある。
※現在、古山師政の作品は非常に稀少で、限られた美術館・個人コレクションにのみ伝わっています。

歴史的評価

初期役者絵の発展に貢献
師政は、鳥居清信らによって築かれた役者絵表現を受け継ぎながら、
より洗練された人物描写を模索した点で評価されています。
次世代への橋渡し
彼の作品は、後の奥村政信、鈴木春信、勝川春章らが登場する流れの中で、
初期浮世絵から中期浮世絵への移行期を示す存在と位置付けられます。
謎の多い画家
作品数が限られているため、詳細な評価や位置付けは今後の研究に委ねられています。
まとめ

江戸時代中期(享保年間)に活躍した浮世絵師
役者絵や風俗画を中心に制作
墨摺絵・丹絵によるシンプルで写実的な表現が特徴
鳥居清信・奥村政信らに続く初期浮世絵界の一員
生涯や人物像には多くの謎が残る