横井也有よこいやゆう

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 墨蹟・書
プロフィール 横井 也有(よこい やゆう、元禄15年9月4日(1702年10月24日) - 天明3年6月16日(1783年7月15日))は、江戸時代の武士、国学者、俳人。

横井也有(よこい やゆう、1702年〈元禄15年〉–1783年〈天明3年〉)は、江戸時代中期の尾張藩士であり、俳人、国学者、文人として多彩な才能を発揮しました。​その生涯と業績は、武士としての責務と文人としての自由な精神を見事に融合させたものであり、後世に多大な影響を与えました。​

生涯と人物像

横井也有は、尾張藩の重臣である横井家の第6代当主として名古屋に生まれました。​名は時般(ときつら)、通称は孫右衛門、字は伯懐(はくかい)で、号として半掃庵、蘿隠、知雨亭などを用いました。​藩の寺社奉行や用人などの要職を歴任し、53歳で隠居した後は、俳諧や文筆活動に専念しました。​また、武道、詩歌、書画、謡曲、平家琵琶など多方面に才能を発揮し、多芸多才な人物として知られています。 ​

文学活動と主な著作

也有は、俳文、漢詩、和歌、狂歌、茶道などに親しむ風流人として知られ、以下のような著作を残しました。​

『鶉衣(うずらごろも)』:​代表的な俳文集で、日常の出来事や自然の描写を洒脱な文体で綴っています。​

『野夫談(やふだん)』:​1762年に刊行された随筆集で、庶民の生活や風俗をユーモラスに描いています。​
『蘿葉集(らようしゅう)』:​1767年に刊行された連句集で、俳諧の技法や美学を示しています。​
『垤集(ありづかしゅう)』:​1770年に刊行された句集で、自然や人情を詠んだ句が収められています。​

これらの作品は、也有の観察力と表現力を示すものであり、江戸時代の文学において重要な位置を占めています。 ​

俳諧と美意識

也有の俳諧は、松尾芭蕉の流れを汲みつつも、独自の視点とユーモアを加えたものでした。​彼は特定の師を持たず、自らの感性を大切にし、自然や人間の本質を鋭く捉えた句を多く詠みました。​また、弟子を持たず、自由な発想で俳諧を楽しむ姿勢を貫きました。 ​

晩年と影響

隠居後の也有は、名古屋の知雨亭にて文筆活動に専念し、町人や百姓とも親しく交わり、生活の中に楽しみを見いだすことを教えて人々から慕われました。​82歳で生涯を終えた後、弟子たちが也有の俳文を編集し、代表作『鶉衣』が発行されました。​彼の作品は、江戸時代の文人文化を代表するものとして、現在でも多くの人々に親しまれています。 ​

横井也有は、武士としての責務を果たしつつ、文人としての自由な精神を追求した人物であり、その生き方と作品は、現代においても多くの示唆を与えてくれます。​