小野蘭山おのらんざん

時代	江戸時代
カテゴリー	掛け軸,絵画、書画
作品種別	墨蹟・書
プロフィール	小野 蘭山（おの らんざん、享保14年8月21日（1729年9月13日） - 文化7年3月2日（1810年4月5日））は、江戸時代の大本草学者。名は識博（もとひろ）、通称は喜内、字は以文、号は蘭山、朽匏子。しばしば「日本のリンネ」と称される。京都出身。門弟に杉田玄白、木村兼葭堂、飯沼慾斎、谷文晁、桜田欽斎、水谷豊文、三谷公器、狩谷棭斎、吉田立仙、山本盛備（大正年間の総理大臣山本権兵衛の養曽祖父） 小野蘭山（おの らんざん、1729年9月13日～1810年3月2日）は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した日本の本草学者（薬物学者）であり、博物学の発展にも大きく寄与した人物です。​ 生涯と学問の歩み 本名と出自：​本姓は佐伯氏、名は職博（もとひろ）、通称は喜内、号は蘭山。京都桜木町に生まれました。​ 学問の始まり：​13歳で父の師であった松岡恕庵に本草学を学び、師の没後は独学で研鑽を積みました。​ 私塾の開設：​25歳で京都に私塾「衆芳軒」を開き、多くの門人を育てました。​ 幕府への招請：​1799年、71歳のときに幕府の命で江戸に移り、医学館で本草学を講義し、医官の子弟に教えました。​ 主な業績 『本草綱目啓蒙』 蘭山の代表作である『本草綱目啓蒙』は、1803年から1806年にかけて全48巻として刊行されました。​この書は、中国の李時珍による『本草綱目』を基にしつつ、日本の動植物や鉱物について詳細に記述し、和名や方言、薬用部分などを網羅しています。​この著作は、江戸時代の本草学の集大成とされ、後の博物学や薬学の発展に大きな影響を与えました。 ​ 採薬活動と博物学的貢献 蘭山は、幕府の命により1801年から1805年にかけて6回にわたり関東を中心に14か国を巡り、薬用植物や動物、鉱物の採集・調査を行いました。​これらの活動は「採薬」と呼ばれ、蘭山は「江戸のくすりハンター」とも称されました。 ​ 教育と門人 蘭山は教育者としても優れており、私塾「衆芳軒」では多くの門人を育てました。​その数は1000人を超えるともいわれ、門人には杉田玄白、飯沼慾斎、谷文晁などがいます。 ​ 晩年と顕彰 蘭山は1810年に江戸で没し、当初は浅草の誓願寺迎接院に葬られましたが、関東大震災後に東京都練馬区の迎接院墓域に移されました。 ​ また、2010年には没後200年を記念して、京都府立植物園内に「小野蘭山顕頌碑」が建立され、その功績が顕彰されています。 ​ 小野蘭山は、日本の本草学を体系化し、博物学の発展に寄与した偉大な学者であり、その業績は現在も高く評価されています。