藤木敦直ふじきあつなお

時代 江戸時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 墨蹟・書
プロフィール 江戸前期の書家・賀茂の祠官。特に空海と三蹟の筆法を慕った。後水尾天皇の叡慮により、書博士の称を賜わり、賀茂流または甲斐流といわれる。門人に荒木素白・佐々木志津摩らがいる。従五位上甲斐守に任じられる。慶安2年(1649)歿、68才。

藤木敦直(ふじき あつなお、1582年〈天正10年〉– 1649年〈慶安2年〉)は、江戸時代前期の著名な書家であり、大師流書法の継承者として知られています。​彼は賀茂神社の神職の家に生まれ、後に賀茂流(または甲斐流)と呼ばれる独自の書風を確立しました。​

生涯と学問

藤木敦直は、京都賀茂神社の神職・藤木主馬助教直の子として生まれました。​19歳まで文字を読むことができませんでしたが、ある日その無学を指摘されたことをきっかけに発奮し、書道の道を志しました。​伯父の藤木成定や飯河秋共、曽我孝成らに師事し、大師流書法を学びました。​その後、賀茂流(甲斐流)と呼ばれる独自の書風を確立し、多くの門人を育てました。 ​

書風と功績

藤木敦直の書風は、大師流の特徴を色濃く受け継ぎつつ、独自の美意識を加えたものでした。​彼の筆致は力強く、かつ流麗であり、多くの人々に影響を与えました。​また、彼は後水尾天皇から書博士に任じられ、宮廷においても高い評価を受けました。 ​

門人と影響

藤木敦直は、多くの門人を育てました。​その中には、子の寂源や本庄道芳、寺田無禅、荒木素白、佐々木志津磨などが含まれます。​彼の教えは、後世の書道界に大きな影響を与えました。 ​

現存する作品

藤木敦直の作品は、現在もいくつか現存しており、慶應義塾大学の「Keio Object Hub」などで見ることができます。​彼の筆による和歌懐紙や消息などが展示されており、その書風を直接感じることができます。 ​

藤木敦直は、江戸時代前期の書道界において重要な役割を果たした人物であり、その功績は現在も高く評価されています。​彼の書風や教えは、後世の書家たちに多大な影響を与え続けています。​