三浦梅園みうらばいえん
時代 | 江戸時代 |
---|---|
カテゴリー | 掛け軸,絵画、書画 |
作品種別 | 墨蹟・書 |
プロフィール | 三浦 梅園(みうら ばいえん、享保8年8月2日(1723年9月1日) - 寛政元年3月14日(1789年4月9日))は、日本の江戸時代の思想家、自然哲学者、本職は医者。豊後国(大分県国東市安岐町富清)の出身。諱は晋(すすむ)。 三浦梅園(みうら ばいえん)は、江戸時代中期の思想家・儒学者・自然哲学者であり、独自の哲学体系「条理学(じょうりがく)」を築いた人物です。実証的かつ合理的な思考を重んじ、日本における自然科学的思想の先駆者としても高く評価されています。 ◆ 基本情報 項目 内容 氏名 三浦 梅園(みうら ばいえん) 本名 三浦 仁蔵(じんぞう) 生年 1723年(享保8年) 没年 1789年(寛政元年) 出身地 豊後国日出(現在の大分県速見郡日出町) 職業 儒者、思想家、医者(儒医) 別称・号 梅園は号。通称は三浦玄達(げんたつ)とも。 ◆ 生涯の概要 ◎ 幼少~青年期 豊後日出藩(ひじはん)の下級武士の家に生まれ、幼少より学問に励む。 儒学・朱子学・陽明学・仏教・道教に加え、自然科学・易学・数学・農学など幅広い分野に関心を持ちました。 江戸や京都へは出向かず、郷里の日出に在住し続けながら膨大な著作を行った「在野の学者」として知られます。 ◆ 思想の特徴 ◎ 条理学(じょうりがく) 「万物にはすべて一定の条理(理法)がある」とし、自然・人間・社会・宇宙を統一的な法則で捉えようとした学問体系。 従来の朱子学や陽明学のような儒学の枠にとらわれず、現象を論理的・体系的に考察する思想。 「物理と道理(哲学)を結びつける」という意味で、日本における自然哲学・近代科学的思考の萌芽と評価されます。 ◎ 「先天帰一・後天分別」の構造 すべての事象には根本に一なる「理(ことわり)」があり(先天帰一)、 そこから様々な現象が分かれて現れる(後天分別)という「一元から多元」への思想構造。 ◆ 主な著作 『玄語(げんご)』 → 条理学の体系を述べた主著。難解だが、極めて独創的な内容。 『贅語(ぜいご)』 → 玄語の補足的著作。思索の背景や概念整理が行われる。 『価原(かげん)』 → 経済・物価・価値に関する哲学的考察。 『陽道実録』 → 儒教と現実倫理の調和を説いた道徳論。 これらの著作は、生前には出版されず、死後に弟子たちが編集・刊行しています。 ◆ 特徴的な学風と思想的貢献 項目 内容 実証精神 先入観を排し、現実を丁寧に観察して思考する態度を重視 独学主義 師に依らず、あらゆる学派を比較し、独自に統合 普遍主義 日本、中国、仏教、西洋にとらわれず、「万物の理」を探究 精神的調和 道徳・倫理と自然科学・数理を融合しようとした先駆的試み ◆ 現代における評価 日本近世思想史の中でも、特にオリジナリティが高い哲学者として再評価。 西田幾多郎や和辻哲郎など、近代日本哲学者も注目した人物。 思想史だけでなく、数学史・科学史・経済思想史・環境思想史でも重要な存在とされています。 ◆ 関連地と記念館 三浦梅園旧宅・記念館(大分県日出町) → 講義室・書斎・著作展示などあり。文化財指定。 日出町の梅園公園 → 梅園が好んだ梅にちなむ庭園と碑が建てられています。 ◆ まとめ **三浦梅園(みうら・ばいえん)**は、 儒学・仏教・自然哲学を統合した独創的な思想家 条理学」によって万物の理を追究した在野の学者 日本思想史上、もっとも近代科学に接近した江戸の哲人 として、現代でも学問・哲学の分野で非常に高く評価されています。 |