井上澄子いのうえすみこ

カテゴリー 陶磁器全般
作品種別 現代手工芸作家協会
プロフィール 井上澄子(いのうえ すみこ)氏は、青森県八戸市を拠点に活動する南部裂織の作家であり、青森県認定の伝統工芸士です。北海道斜里町で生まれ、釧路武田和洋裁専門学校を卒業後、八戸市の井上洋品店に嫁ぎました。その後、1971年に「いのうえ手芸編み物教室」を開講し、南部裂織保存会で裂織の教授免許を取得しました。2002年には青森県伝統工芸士に認証され、2005年に八戸南部裂織工房「澄」を独立開業しました。

南部裂織は、江戸時代に青森県南部地方の農村の女性たちが、使い古した着物を裂いて横糸にし、手織り機「地機(じばた)」を使って再生した織物です。井上氏は、この伝統技法を守りつつ、現代的なデザインを取り入れた作品を制作しています。工房「澄」では、バッグやポーチ、帽子、ブローチ、ピアスなど、多彩な製品を手掛けています。

また、井上氏は後進の育成にも力を注いでおり、工房内でワークショップや体験教室を開催しています。2011年より八戸市ポータルミュージアム「はっち」のものづくりスタジオに入居し、南部裂織の技術を広める活動を続けています。

さらに、株式会社金入と共同で南部裂織のステーショナリーシリーズ〈KOFU〉を開発するなど、伝統工芸の新たな可能性を追求しています。井上澄子氏の活動は、南部裂織の伝統を守りながらも、現代の生活に寄り添った作品作りと技術の継承に尽力している点で高く評価されています。