源順みなもとのしたごう

時代 平安時代
カテゴリー 掛け軸,絵画、書画
作品種別 古筆・墨蹟
プロフィール 源 順(みなもと の したごう、延喜11年(911年) - 永観元年(983年))は、平安時代中期の学者・歌人・貴族。嵯峨源氏、大納言・源定の曾孫。左馬允・源挙の次男。官位は従五位上・能登守。

源順(みなもとの したごう)
源順(911年頃 - 983年頃)は、平安時代中期の学者・歌人・漢詩人・辞書編纂者です。 彼は国語辞典の先駆けである『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』を編纂し、『後撰和歌集』の撰者としても知られています。また、『万葉集』の研究を行い、国文学の発展にも貢献しました。

基本情報

生年:911年(延喜11年)頃
没年:983年(寛和3年)頃
官位:従五位下、文章博士
代表作:
『和名類聚抄』
『倭名抄』
『後撰和歌集』(撰者の一人)
『文筆料紙抄』(漢詩集)
生涯と業績

学者としての活躍
源順は、漢学・国文学の分野で多くの業績を残した学者でした。特に『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』は、日本最古の百科事典的な辞典として有名です。

『和名類聚抄』の特徴

日本語と中国語の対応表:各物事の日本語(和名)と、対応する漢字を記載。
分類:物品、地名、植物、動物、職業などが細かく分類されている。
国語辞典の祖:後世の辞書編纂の基礎を築いた。
この辞典は、日本語と漢語の関係を示し、当時の日本語の発音や意味を知る貴重な資料となっています。

歌人としての活躍
源順は『後撰和歌集』(951年成立)の編纂にも関わり、約25首の和歌が収録されています。

代表的な和歌

「小倉百人一首」に選ばれた歌

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも
よに逢坂の 関は許さじ (訳:夜が明けたと偽って鶏を鳴かせても、逢坂の関は絶対に通れないよ。)
この歌は、平安時代の**関所(逢坂の関)**をテーマに、男女の逢瀬を題材にした風雅な和歌です。

漢詩人としての活躍
源順は、漢詩の才能も持ち、『文筆料紙抄(ぶんぴつりょうししょう)』という漢詩集を著しました。これは、当時の文筆家の教養書として使用されました。

源順の影響

1. 国語辞書の基礎を築いた
『和名類聚抄』の影響で、後の時代に『類聚名義抄』や『節用集』といった辞書が作られるようになり、日本語の辞典文化の基盤を作りました。

2. 和歌の発展に貢献
『後撰和歌集』の編纂を通じて、和歌の表現技法を洗練させ、平安時代の文学に影響を与えました。

3. 百人一首に選ばれ、後世に名を残す
彼の和歌は「小倉百人一首」にも採録され、日本文化において長く愛される存在となりました。

まとめ

平安時代中期の学者・歌人・漢詩人
『和名類聚抄』を編纂し、日本語辞書の基礎を築く
『後撰和歌集』の撰者として和歌の発展に寄与
「夜をこめて〜」の和歌が百人一首に選ばれる
国語学・和歌・漢詩の分野で多くの功績を残す
源順は、日本語の研究と文学の発展に貢献した知識人であり、彼の功績は今日でも評価されています。